...しかし小学校生徒の仲間にはどこかこのシバテンの風格を備えた自然児の悪太郎はたくさんにいて...
寺田寅彦 「相撲」
...しかし茶目気分横溢(おういつ)していてむつかしい学科はなんでもきらいだという悪太郎どもにとっては...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...此の先生の気象の鋭さがいたづら盛りの悪太郎共を押さへつけてしまつた...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...当時の悪太郎どもも容易には接近し得なかったようである...
寺田寅彦 「物売りの声」
...遊び好きなる事に於て村の悪太郎(あくたろう)等に劣るまじい彼は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...余は町の悪太郎と巡査の髭面とを見る時...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...悪戯(いたずら)をしかけた悪太郎どもの方を睨みつけた旅の子供の面(かお)を見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪太郎の兄(あに)い株が少しテレているのを見る...
中里介山 「大菩薩峠」
...「後世おそるべし」けれども、当座の間は、悪太郎ばかりで、女の子というものは更に加わらなかったけれど、ある日、一人の、ここに常連の子供たちよりは、やや年長で、がらも大きいし、容貌も醜いほどではないが、なんとなく締りのない、低能に近いほどに見ゆる女の児を一人、子供の愚連隊が連れこんだことによって、今までとは全く異った遊びの興味を湧かすのを、主膳が見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...隣村の悪太郎からこば石をぶっつけられた合戦の名残(なご)りと見られるものもあろうし...
中里介山 「大菩薩峠」
...」「悪太郎があそこへ毬をあげてしまつたから...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...悪太郎の時分からの知りあいだ...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...悪太郎の父は、ませていたその頃の小若衆(こわかしゅ)、井坂の浜さんが文字春さんのところへくる夜、格子の敷居に犬の糞(ふん)をぬっておいた...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...こちとら悪太郎の仲間になんかはいらねえで...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...所が其の隣に悪太郎と云ふ人がありましたが家は大金持でした...
槇村浩 「孝太郎と悪太郎」
...一方悪太郎は大へんな親不孝者でもう手のつけやうもない位...
槇村浩 「孝太郎と悪太郎」
...それだけなら普通の悪太郎なのだが...
柳田国男 「故郷七十年」
...悪太郎の処には塩ばかりバラバラと降って...
夢野久作 「先生の眼玉に」
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