...悪く言うんじゃないぜ……そこへぬっくりと顕(あらわ)れたろう...
泉鏡花 「歌行燈」
...――今まで夢中になっていた女を実際通り悪く言うのは...
岩野泡鳴 「耽溺」
...其男(それ)を悪く言うのは...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「君のこともちっとは悪く言うかも知れんから...
徳田秋声 「黴」
...ちょっとでも彼女のことを悪く言うような当てこすりは我慢がならず...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...もっとも私はこの例をわれわれの「盟邦」独逸の政策を悪く言うために挙げているのではない...
中谷宇吉郎 「語呂の論理」
...悪く言う意味で、御手際が大変好いのです...
夏目漱石 「模倣と独立」
...「死んだ人を悪く言うようですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...飯の足しになることは一つも出来ない」「たいそう悪く言うぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時に海を悪く言う場合でも...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...一名衣魚)を悪く言うナイ何んでも書物を蠹害(とがい)するという事をシミが一手に引受けているのは可愛想だと私は聊(いいささ)かシミに同情している...
牧野富太郎 「植物記」
...……それを今松しきりに悪く言うのだけれど...
正岡容 「寄席」
...何やかやと悪く言うが...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...これではどうしたって料理の事へ心を向けられんよ」と弁護するのか悪く言うのかイヤに笑って我が妻を顧(かえり)みる...
村井弦斎 「食道楽」
...帝の深い愛を信じながらも、悪く言う者と、何かの欠点を捜し出そうとする者ばかりの宮中に、病身な、そして無力な家を背景としている心細い更衣は、愛されれば愛されるほど苦しみがふえるふうであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...出まかせな雑言(ぞうごん)で悪く言うのはおよしなさい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「桜花匂(にほ)ひあまたに散らさじとおほふばかりの袖(そで)はありやは気が狭いというものですね」などと悪く言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前に貧乏神を悪く言うた奴ほどこの罰が非道(ひど)う当りまするようで……」「ハハハ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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