...あいつは悪くすると君...
芥川龍之介 「片恋」
...悪くすると、折角の計画も――まあ、すべてが明日の事だ...
芥川龍之介 「妖婆」
...これは悪くすると...
岩本素白 「雨の宿」
...悪くすると谷間へ落ちる様なことがないとも限りません...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...悪くすると私など...
大下宇陀児 「擬似新年」
...何しろ、怒牛角を閃(ひらめ)かして馬でも人でも突き刺し、撥(は)ね上げて、その落ちて来るのを待って角に懸けて振り廻す――こう言った、馬血人血淋漓(りんり)たるところが、また闘牛中の大呼物(おおよびもの)――じっさいどんな平凡な闘牛ででも馬の二、三頭やられることは普通だし、悪くすると、リングの砂が闘牛士の生命(いのち)を吸い込む場合もさして珍しくない――のだから、この闘牛(トウロス)の角っぷり、その角度尖鋭に対する関心は大変なものだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...悪くすると世界的動乱の渦(うず)の中へ捲(ま)き込まれるであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...悪くすると雑文を書いて金をかせぐ主義だと常識は思っている...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...悪くすると雲助(くもすけ)仲間の名折れになるのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが、今日のいろいろな動きは、せっかくの労働がただ空転しているだけならまだよい方で、悪くすると、自然恢復の邪魔をするような場合すらありそうである...
中谷宇吉郎 「捨てる文化」
...けれども悪くすると前(ぜん)申した子供や門外漢と同じように...
夏目漱石 「中味と形式」
...自殺幇助容疑……悪くすると...
久生十蘭 「肌色の月」
...悪くすると一日明るくならずにしまうのだからな...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...悪くすると飛びだしそうな工合...
山本笑月 「明治世相百話」
...悪くすると山寨(やま)を破門になるかもしれねえ」「それほど性根(しょうね)には分っていながら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...只今も申したような奈落の闇、逃げてくれればまだよいが、悪くすると、あのまま、息が絶えたかもしれぬ」「えっ!」死なしてしまっては玉なしである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...はてな、悪くすると、またお十夜(じゅうや)にでもふん捕まってしまったのじゃねえかしら? ……」独(ひと)りごとを洩らすまでに、案じぬいているふうである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...悪くすると周馬の野郎め...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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