...日本人はどうして恁(か)うせせこましい、万事に抜目のない様な、悧巧さうな、小国民らしい顔をしてるだらうと、トンダ不平を起して再び目を窓外に転じた...
石川啄木 「雪中行」
...気品のある鼻すじの高い悧巧(りこう)そうな顔――だがヒステリー的に痩せぎすの女...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...近頃は悧巧(りこう)になったね...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...総領事よりは余程悧巧である...
薄田泣菫 「茶話」
...「五郎丸! てめえのようなつよい悧巧な犬がよ……どうしてこんな殺されかたをしたんだ」と...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...女と云うものは悧巧(りこう)なようでも馬鹿だからな」「まあ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...全くリリーは悧巧(りこう)だと云う...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...人にすれずに悧巧になる道はないから...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...悧巧(りこう)なようでも十八の花嫁...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...あんな悪く悧巧(りこう)な奴に逢っちゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...悧巧(りかう)なところが殘つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「悧巧な小僧だな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人間も倍増(ばいまし)悧巧だ」そんな話がいつでも二人の結論になります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此世の中に自分ほど悧巧なものは無いと思つて居る女の見本だよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それともキャラバン今晩の舞踏曲は……さあまだあと三杯もあるしっかりしているかってええ大丈夫よ私はお悧巧(りこう)な人なのに本当にお悧巧なひとなのに私は私の気持ちをつまらない豚のような男達へおし気もなく切り花のようにふりまいているんですああカクメイとは北方に吹く風か――さてさてあぶない生胆(いきぎも)取り...
林芙美子 「新版 放浪記」
...悧巧(りこう)な小(ちひ)さな愛(あい)ちやんは大急(おほいそ)ぎで其(そ)れを飮(の)まうとはしませんでした...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...」小ぢんまりと悧巧な顏つきの...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...なかなかお前は悧巧だ...
室生犀星 「幼年時代」
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