...日本人はどうして恁(か)うせせこましい、万事に抜目のない様な、悧巧さうな、小国民らしい顔をしてるだらうと、トンダ不平を起して再び目を窓外に転じた...
石川啄木 「雪中行」
...怜悧(りこう)な坊さんは最初からそれをのぞんでゐたのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...併し嬢様は滅法お怜悧(りこう)だから子...
内田魯庵 「犬物語」
...お前さんは警察に残るには悧巧すぎる...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」
...近い所に全力を集中するのが悧巧な方法で...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...あたし譲治さんが怒るたんびに、可笑(おか)しくッて可笑しくッて仕様がなかったわ」「呆れたもんだね、すっかり僕を一杯喰わせていたんだね」「どう? あたしの方が少し悧巧(りこう)でしょ」「うん、悧巧だ、ナオミちゃんには敵(かな)わないよ」すると彼女は得意になって、腹を抱えて笑うのでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...全くリヽーは悧巧だと云ふ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...怜悧(れいり)そうにちろちろ光っていた...
徳田秋声 「爛」
...余り怜悧でない卑しさがあった...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...何となく悧巧(りこう)そうな男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの女が身を投げる氣になれば世の中を少しは見直す」「へエー」「あの女は薄情で悧巧過ぎて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの悧巧な内儀が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
一葉稿 「五月雨」
...ママは悧巧なひとだから...
久生十蘭 「だいこん」
...袖(そで)を口もとにあてている様子にかわいい怜悧(りこう)さが見えるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の義務を自分以外の人を標準にして規定するのはあまり怜悧でない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...幼ない時から何事に依らず怜悧(りこう)発明な上に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あの悧発(りはつ)な子のことですから...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索