...余之を見て思へらく眼を悦ばす美麗なる色素や嗅覚を楽ましむる馥郁たる香料は化学工業によりて数多く製造されつゝあれども味覚に訴ふる製品はサッカリンの如き恠し気なる甘味料を除きては殆んど稀なり...
池田菊苗 「「味の素」発明の動機」
...住職を悦ばすという事だけが注文されていた...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...其母を悦ばす可く陰に陽に骨折る事を妹に約した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...窓にマリアさまを描いたの?」「神さまを悦ばすために」「神さま...
永井隆 「この子を残して」
...併しそこには野菊や紅蓼が一杯に咲いて居るのでまだ目を悦ばすことが出来る...
中村憲吉 「備後より」
...民衆を「悦ばすため」の...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...故國日本の母をも悦ばすであらうといふことである...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...武さんは寧ろ僕を悦ばすためにどんを曳いて来るのだから一向関(かま)はぬ――と云ひ...
牧野信一 「肉桂樹」
...その轡へ新しい上赤貝の女郎が思い付いて招かぬに独り食い付くと申す前表(ぜんぴょう)と悦ばす所あるはこれに拠って作ったのだ...
南方熊楠 「十二支考」
...今度の招待程近頃の私を悦ばすものはないのだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...死んだお父さんを悦ばすわけだね」「まあそうですね...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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