...新蔵も実は悠長にこうして坐りこんでいるのが...
芥川龍之介 「妖婆」
...こんなに悠長に構えている筈はないと思ったからだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...川ぞひのひろい市街を悠長にかけめぐる...
大手拓次 「藍色の蟇」
...歸りがけに氣がついたのは鶴子さんの部屋では例の箏の音の悠長に響いてをつたことである...
高濱虚子 「俳諧師」
...この辺りまで畑打つ男女何処(どこ)となく悠長に京びたるなどもうれし...
寺田寅彦 「東上記」
...浅間の煙が悠長に立ち昇ってるだけに...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...馬鹿に大きな鰭と尾とを動かして悠長に泳いでいた...
豊島与志雄 「金魚」
...おのおの御用提灯が右と左へ悠長に揺り出して行く...
中里介山 「大菩薩峠」
...荷馬車が悠長に赤楊の間を過ぎて行く...
長塚節 「教師」
...悠長にそれを見物してゐる...
長與善郎 「青銅の基督」
...或る者は悠長に馬を追ふ身振りをしながら声をそろへて歌ひはやす――あれを私も教はりたいなどと滝も云(いつ)た...
牧野信一 「山を越えて」
...さう悠長に湯浴を樂んでゐられさうでなかつた...
正宗白鳥 「水不足」
...枯れた草の中から竜胆(りんどう)が悠長に出て咲いているのが寒そうであることなども皆このごろの景色(けしき)として珍しくはないのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...啼き方が悠長にまた面白そうになった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...御子息、お孫たちまで、みな老先生をしのぐ俊才(しゅんさい)と、徳川殿もよくおうわさのことゆえ、お伴(つ)れ立ってあれば、徳川殿にもいっそうお欣(よろこ)びでございましょう」「では、直(す)ぐにも」と、心を極めると、悠長に構えたり、徒(いたずら)に勿体ぶっている石舟斎ではなかった...
吉川英治 「剣の四君子」
...ただ悠長にだらだらと日を過しているのは嫌いだ...
吉川英治 「三国志」
...その悠長にいらいらしていた...
吉川英治 「三国志」
...伊勢の海のうちでも穏やかな海岸線を悠長にすすんでいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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