...林外相は例の悠揚迫らざる體度にて勢力は之を加ふる方によきも加へらるる方では惡しきものなりとて清國問題に公平穩健なる意見を吐露し...
石川啄木 「雲間寸觀」
...若殿は悠揚と手古奈の後を追うて家の内に入つた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...明治三十年以前の画人というものは何となく悠揚たるものがあり...
上村松園 「明治懐顧」
...来てみなさい」金博士は悠揚迫(ゆうようせま)らず...
海野十三 「共軛回転弾」
...同志は悠揚(ゆうよう)として死についた...
高見順 「いやな感じ」
...更に戒壇院の四天王像になると聡明な頭脳と余裕ある手腕とによる悠揚せまらぬ写実の妙諦(みょうてい)に徹底している...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...悠揚として迫らぬところがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...悠揚たる其の微笑を見ただけで...
中島敦 「南島譚」
...今の東京にいる者に悠揚(ゆうよう)な絵ができるものか...
夏目漱石 「三四郎」
...孔雀(くじゃく)のように悠揚としてクラブの食堂に現われました...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...體度もさすがに悠揚として居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いとも悠揚と控え...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...伊達なまでに悠揚とした床しげな青年が...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...なんの発言もせずに悠揚としている...
久生十蘭 「南極記」
...その悠揚迫らざる態度というものは実に異様であって...
久生十蘭 「魔都」
...しかも悠揚(ゆうよう)とした挙動で澄まし込んで啼いている...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...みんなの意志は悠揚(いうやう)として...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...悠揚として寛(くつろ)いでいるのだった...
吉川英治 「親鸞」
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