...「悠々荘?」「うん、悠々荘...
芥川龍之介 「悠々荘」
...そうして悠々然と四方(あたり)に人もおらぬといった風に構えている処は鷹揚(おうよう)といって好いか...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...今こそは一切の公職を辞して悠々自適の生活を送っていましたが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...悠々(ゆうゆう)とふりかえり「あいよ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...いいかげんの時分になると、座右からかますを取り出して、カチカチと火をきって、ぷかぷかと二三ぷく煙草をのんでしまっては、さて悠々と、老木の梢の上なんぞを上目づかいでながめて、鶯(うぐいす)がどこへ来ているか、雀が何羽止ったかという数なんぞ読んでいる様子が、お松にとっては、いよいよ小憎らしいばかりです...
中里介山 「大菩薩峠」
...悠々と葉巻を一本くゆらしてから...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...ついこの間シネラリアといふ優しい名前を持つた村境のパーラーで親しい友達と酒を酌み交し貌麗(みめうる)はしい酒注女に長閑なる流し目を送り乍ら悠々と Tavern's Pleasure を味あつてゐた所が...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...悠々と越してゆくだけの力が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつも悠々とやって来て...
山本周五郎 「似而非物語」
...いつもニコニコ笑いながら悠々(ゆうゆう)と方々の村や都をめぐり歩いて...
夢野久作 「白髪小僧」
...相変らず悠々と落ち付いて...
夢野久作 「白髪小僧」
...悠々と葉巻を右手に取りながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...悠々と舌なめずりをした...
夢野久作 「復讐」
...悠々(ゆうゆう)と彼女の肩に現われていた...
横光利一 「花園の思想」
...四方、味方との聯絡もないこの孤城を、そち達、寡兵(かへい)の手にあずけて、悠々、半月あまりも、留守にしておいた藤吉郎こそ咎めらるべきだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほかの物見と事ちがい、敵前敵中の十七、八町にわたる低地高地を、悠々と、ただ一騎乗りわたして、ぬすみ眼でなく、胆力(たんりょく)で見とどけて来た藤蔵の報告である...
吉川英治 「新書太閤記」
...万畳(ばんじょう)の雲なす遠山は、対岸の空に藍(あい)か紫かの襞(ひだ)を曳き、四川(しせん)くだりの蓆帆(むしろぼ)や近くの白帆は、悠々、世外の物のようである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一人として血眼になっていない者のない中を――いかにも悠々(ゆうゆう)とした胸をひらいて歩いて来た者がある...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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