...悠然と煙草のけむりを吐いて...
太宰治 「令嬢アユ」
...お民は身動きもせず悠然として莨の烟を吹いている...
永井荷風 「申訳」
...悠々(ゆうゆう)と馬を進ませて...
中里介山 「大菩薩峠」
...悠々閑々と歩いて江戸に入って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...悠暢(ゆうちょう)に遊ばせている金ではないとか...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...ところもあろうに五重塔の天辺で悠々閑々と筒眼鏡で景色などを眺めてござるなどはちと受取れぬ話...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...悠長な絃歌をきいて...
牧野信一 「熱い風」
...だが自然に叛くものに悠久なものがあろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...泰助はちょうど食事を終って悠然と千賀に茶を注いで貰っていた...
山本周五郎 「思い違い物語」
...悠二郎は口惜しさのあまりぽろぽろ涙をこぼし...
山本周五郎 「桑の木物語」
...悠二郎はごくっと喉(のど)が鳴り...
山本周五郎 「桑の木物語」
...みんなのなごやかな話を悠り聞いていたかった...
山本周五郎 「契りきぬ」
...悠々と廻わって来た...
夢野久作 「爆弾太平記」
...天地の悠久を思うと...
吉川英治 「三国志」
...四方、味方との聯絡もないこの孤城を、そち達、寡兵(かへい)の手にあずけて、悠々、半月あまりも、留守にしておいた藤吉郎こそ咎めらるべきだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「死ぬには悠(ゆった)りと支度もできましょう...
吉川英治 「新書太閤記」
...ちょうど炊きあがった釜の飯までたいらげて悠々とそこを立ち去って出たのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いま越えて来た鷹取峠の上には、姫路藩の兵が、四百人ほど屯(たむろ)していて、戦時のように関を備えたり、槍や銃をならべて往来を威嚇(いかく)していたが、その中を通って来るのでも、悠々と、そこらの兵を睥睨(へいげい)して、頭を一つ下げるではなく、『江戸常詰(じょうづめ)の家中村松喜兵衛(きへえ)、同苗(どうみょう)三太夫』と一言、名乗り捨てて手を振って来たものであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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