...余を死に導く力に對して何等の覺悟なき限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...古藤は倉地を一目見るとすぐ倉地と悟ったらしかった...
有島武郎 「或る女」
...ここで覚悟をきめてしまわねば...
伊藤左千夫 「春の潮」
...彼女は一瞬間にすべての事情を悟った...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...二人の関係がどうあろうとあらゆる協力をする覚悟だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...人間の悟性乃至理性は...
戸坂潤 「辞典」
...旧調(きうてう)別れて後のいくとせまたの逢瀬この世にてかなはぬわけを知りしより悟(さとり)の道をまなびしが...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...悪い意味における表裏我々が各自の友人を一人ずつ挙げて考えたならすぐに両面あることを悟るであろうと思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...この地底の島で死ぬことに覚悟をきめたらしく見えた...
久生十蘭 「地底獣国」
...免職ぐらいでは済まさないから覚悟しているがいい...
久生十蘭 「魔都」
...忽ちそんな悟りを開くなんて――」「いゝえ/\...
牧野信一 「小川の流れ」
...さてこの三つをことごとく長所にしてしまおうと美(い)しくも覚悟を定めてしまったことなのです...
正岡容 「初看板」
...人生の意義というものを悟るだけの学識も与えられずに成長した人であるから自殺というような思いきったこともする気になったらしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そして目前にある危険がせまりさうなのをよく悟りながらこの山中を去らうとしないのであつた...
村山槐多 「殺人行者」
...美を高める所以だと悟得せねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...二人の代表が覚悟の前ながら相当貰い泣きさせられた...
夢野久作 「近世快人伝」
...御一族あまさぬお覚悟の戦立(いくさだ)ち...
吉川英治 「私本太平記」
...宗論をはじめる前にすでに彼らからの迫害を覚悟した...
和辻哲郎 「鎖国」
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