...その果して予が一夕の観察に悖(もと)らざる痴漢なりや否やを検査したり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...狂悖暴戻、余りに其家門の栄達を図るに急にして彼等が荘園を奪つて毫も意とせざりし、より大胆なるシーザーとしての入道相国を見たり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...財を貪り義に悖(もと)り...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...そしてこの世においてはしばしば徳よりも悖徳にいっそう大きな報酬が供せられるのでありますから...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...『いづくに馳すやあゝ汝? 胸ぬち何の悖狂ぞ!クロニデースはアカイアの救援なんぢにおしとゞむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...殆んどただ一種の悖論(はいろん)たる勿(なか)らんや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「母性的恋愛」の外はすべて誤った悖徳(はいとく)的行為として斥けられ...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...すさまじい悖反(はいはん)がある...
中里介山 「生前身後の事」
...何か自然に悖(もと)る不吉なことだと...
中島敦 「狐憑」
...父の意に悖(もと)って...
夏目漱石 「創作家の態度」
...漫(みだり)に合(ごうきん)の式を挙ぐるは悖徳没倫(はいとくぼつりん)のはなはだしき所為である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...生来未ダ嘗テ狂暴悖戻ノ事ヲ為サズ...
成島柳北 「祭舌文」
...相悖らざるの理あり...
蜷川新 「天皇」
...ヒトラー氏の信義に悖る行動を恕すことができないのだと書いてあつたさうだ...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...彼は卑劣な悖徳漢として...
原民喜 「背後」
...仕える心に悖(もと)るではないか...
柳宗悦 「工藝の道」
...それはそれは恐ろしい悖戻(よこしま)の報責(むくい)なのです...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...情(じょう)に悖(もと)ることはないでしょう...
吉川英治 「私本太平記」
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