...ヨブは前の苦難を悉く忘るるほどの幸福に入ったのであると...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...さうして悉く失敗の歴史であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...どうしてとつたものかその人物も悉く...
竹久夢二 「砂がき」
...形式論理の法則を悉くは承認出来なくなる...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...一切が悉く低劣卑賤に思われる...
豊島与志雄 「情意の干満」
...北方の悉く監生の寫字に成り...
内藤湖南 「文溯閣の四庫全書」
...天下不用意にして遣りそこなうものは悉く賞せずんばあるべからず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...悉く打ち萎れてしまつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...庭にあつた樹木は悉く焼け滅んだのに...
原民喜 「火の踵」
...悉く彼の日常生活は天狗の夢のために...
牧野信一 「熱い風」
...たゞでさへ朧気な己れの個性は悉く消滅してしまつて...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...眼に触れるものが悉く疳癪にさわりました...
牧野信一 「美智子と歯痛」
...家中の者が悉く留守で張合抜けがしてゐるところなんだと云つた...
牧野信一 「昔の歌留多」
...筆法が悉くまち/\なので(それが巧みに...
牧野信一 「昔の歌留多」
...七草が過ぎて各家の札の筆法を悉くの選手達が呑み込んでからの決戦は凄じかつた...
牧野信一 「昔の歌留多」
...ラガド市では悉くの人々が夫々一台の小型航空器を所有してゐた...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...これで御覧の通り茜の染物は悉く絞です...
牧野富太郎 「植物記」
...崖の中腹に作られた七八軒の家が悉くがつしりした構へで而かも他に見る樣にきたなつぽくなく...
若山牧水 「樹木とその葉」
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