...夢を見てゐる人の樣に悄然とした...
石川啄木 「鳥影」
...』と悄然として言ひ...
小穴隆一 「二つの繪」
...俳小屋の机の前に坐つてゐる私は愈々孤影悄然としてをる...
高浜虚子 「椿子物語」
...悄然と力ない歩調(あしどり)をしているかと思うと...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...白基竜は悄然と隅の腰掛けにつき...
林不忘 「安重根」
...そうして悄然と打ち沈んでいるのを面と向って見ると...
近松秋江 「霜凍る宵」
...パートロクロス悄然とはるかに後に引返す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 110心ならずも悄然と牧場あとに退(の)く如し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...中野君はプロ文学の愛読者である厳父の下に走ったが、僕は悄然として、七日の早朝、上野のホームに下り立ったわけである...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...固より例(れい)の様(やう)な元気はなく悄然とした問ひ振りであつた...
夏目漱石 「それから」
...前に悄然と立っている隣組長にすすめた...
原民喜 「原爆回想」
...もつと悄然とこの線路に眼をとめてゐる人たちの姿が浮んでくる...
原民喜 「心願の国」
...得意満面、ほくそ笑んでいる※から、蜜柑の代金をうけとって、悄然と、店を出た...
火野葦平 「花と龍」
...Solon は悄然として亡命した...
森鴎外 「古い手帳から」
...悄然と首を垂れてしまいましたから...
吉川英治 「江戸三国志」
...一隊の武士が悄然と頸垂(うなだ)れ勝ちに跫音も湿って帰って来た...
吉川英治 「剣難女難」
...拙者は今日限りこの道場から破門をうけました……」新九郎は悄然として云った...
吉川英治 「剣難女難」
...ただ、行燈(あんどん)の下に、下男の助市が、挟(はさ)み筥(ばこ)へよりかかって、孤影悄然と、よだれをたらして眠っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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