...悄然と坐っている相手の姿を見守った...
芥川龍之介 「疑惑」
...然し此男の悄然として居る事は事實だから仕樣がないのだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...物思はし氣に悄然と坐つて裁縫(しごと)をしてゐたお利代は...
石川啄木 「鳥影」
...前を通る人達は見なれぬ登志子の悄然と立った姿をふしぎそうにふり返って見て行く...
伊藤野枝 「出奔」
...一旦死んだ人間が生きているという事が抑(そもそ)も間違いの原因だったのです」男は語り終ると悄然として首を垂れた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...――あることはあるんだけれど――」と云って悄然と三越を出た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...悄然として音無し...
太宰治 「右大臣実朝」
...そして悄然として髑髏(どくろ)を見下ろした...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...「何といふ孤獨の男だらう!」黒く悄然としてゐる友の背後姿をみてゐる中に...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...もつと悄然とこの線路に眼をとめてゐる人たちの姿が浮んでくる...
原民喜 「心願の国」
...悄然とせしかげ障子にうつりて...
一葉 「暗夜」
...キチンとタキシードの膝を折って孤影悄然と坐っているのは...
久生十蘭 「魔都」
...東京に一泊して悄然として亨一は...
平出修 「計畫」
...これも立膝をだいて悄然として坐っていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...灯に対って悄然と坐ったきりだった...
室生犀星 「後の日の童子」
...一隊の武士が悄然と頸垂(うなだ)れ勝ちに跫音も湿って帰って来た...
吉川英治 「剣難女難」
...深刻な悔いを面(おもて)にたたえながら担架のあとから悄然と従(つ)いて行ったのは...
吉川英治 「日本名婦伝」
...――お磯っ」「はい……」後ろに来て、悄然としていた...
吉川英治 「べんがら炬燵」
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