...船頭は、悄然として再び、『お気の毒でしたね...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...自分は先に「悄然として塵塚の痩犬の如き一人物」と云つた...
石川啄木 「雲は天才である」
...夢を見てゐる人の樣に悄然とした...
石川啄木 「鳥影」
...物思はし氣に悄然と坐つて裁縫(しごと)をしてゐたお利代は...
石川啄木 「鳥影」
...母は水汲に出て行つた後で私は悄然と囲炉裏の隅に蹲つて...
石川啄木 「二筋の血」
...140今純白の垂絹に面を掩ひ悄然と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...爭ひかねて悄然とトアスうしろに引き返す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...かく悄然と華麗なる兵車を附けて立ち留り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...悄然として佇むを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼は孤影悄然とペテルブルグへ立ち去ったのだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...得意満面、ほくそ笑んでいる※から、蜜柑の代金をうけとって、悄然と、店を出た...
火野葦平 「花と龍」
...灰色のすゐんとん万国史等が悄然と積み重ねてあるばかりで...
牧野信一 「余話(秘められた箱)」
...これも立膝をだいて悄然として坐っていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...悄然と、腰縄で首うなだれてゆく小柄な男――やはり久助にちがいなかった...
吉川英治 「大岡越前」
...「一家の内事、われわれの知ることではありません」「…………」劉は、悄然と、帰るしかなかった...
吉川英治 「三国志」
...藤甲蛮(とうこうばん)一すでに国なく、王宮もなく、行くに的(あて)もない孟獲(もうかく)は、悄然として、「どこに落着いて、再挙を図ろうか」と、周囲の者に諮(はか)った...
吉川英治 「三国志」
...助光は悄然と去って行った...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ、行燈(あんどん)の下に、下男の助市が、挟(はさ)み筥(ばこ)へよりかかって、孤影悄然と、よだれをたらして眠っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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