...――あることはあるんだけれど――」と云って悄然と三越を出た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...天隨悄然として溜息をもらせるは...
大町桂月 「水戸觀梅」
...また落胆(がっかり)させて悄然とうなだれた...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...かく悄然と華麗なる兵車を附けて立ち留り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...固より例(れい)の様(やう)な元気はなく悄然とした問ひ振りであつた...
夏目漱石 「それから」
...悄然とした露子に相対した時...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...悄然とせしかげ障子にうつりて...
一葉 「暗夜」
...得意満面、ほくそ笑んでいる※から、蜜柑の代金をうけとって、悄然と、店を出た...
火野葦平 「花と龍」
...あたかも家なき旅人のように孤影悄然として道の只中に取り残されるのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...悄然と先生宅を辞した...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...勅使河原静江は悄然とうなだれてしまった...
正岡容 「圓朝花火」
...アカシヤの並木の下を彼は悄然として叔父の家に歸つた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...藤甲蛮(とうこうばん)一すでに国なく、王宮もなく、行くに的(あて)もない孟獲(もうかく)は、悄然として、「どこに落着いて、再挙を図ろうか」と、周囲の者に諮(はか)った...
吉川英治 「三国志」
...助光は悄然と去って行った...
吉川英治 「私本太平記」
...悄然としてもどって来た...
吉川英治 「私本太平記」
...郡兵衛は悄然としたが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...伝右衛門は、一刻(ひととき)でも長く詰所にいたかったが、時刻が来たし、交代の同僚も見えたので、悄然と、中屋敷を退がった...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...ただ、行燈(あんどん)の下に、下男の助市が、挟(はさ)み筥(ばこ)へよりかかって、孤影悄然と、よだれをたらして眠っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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