...物思はし気に悄然(しよんぼり)と坐つて裁縫(しごと)をしてゐたお利代は...
石川啄木 「鳥影」
...傘を畳んで悄々(しほしほ)と足駄の雪をおとして電車の中にはいつた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...あきらめたように口を開くと「或いはそうかも知れません」と悄然と言って...
大庭武年 「旅客機事件」
...悄然と私かに壁を飛び降る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...パートロクロス悄然とはるかに後に引返す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...手(て)ランプも點(つ)けぬ卯平(うへい)の狹(せま)い小屋(こや)の空氣(くうき)は黒(くろ)く悄然(ひつそり)として死(し)んだ樣(やう)である...
長塚節 「土」
...與吉(よきち)は屡(しば/\)さういはれて悄然(せうぜん)として居(ゐ)るのを...
長塚節 「土」
...悄然(しょうぜん)として萎(しお)れる雨中(うちゅう)の梨花(りか)には...
夏目漱石 「草枕」
...それでなければかように恐れ入ると云わんよりむしろ悄然(しょうぜん)として...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...今宵(こよひ)は辻(つぢ)より飛(とび)のりの車さへ帰して悄然(しよんぼり)と格子戸(かうしど)の外に立てば...
樋口一葉 「十三夜」
...少しは悄氣(しよげ)たが...
三島霜川 「自傳」
...私は一人悄然(しょうぜん)と町内のお花見の連中が春の町を練って行く後姿が...
水上滝太郎 「山の手の子」
...すこし悄気ている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...父も悄然として次第に遠くなる船を見つめている様子……すると船の窓から貌を出した...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...そうして悄然(しょうぜん)と向うへ去っていった...
山本周五郎 「思い違い物語」
...悄然(しょうぜん)と帰って来て...
吉川英治 「新書太閤記」
...だめでした」蜘蛛太は悄(しお)れたが...
吉川英治 「親鸞」
...悄々(しおしお)と引っ返してゆく間に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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