...恰度ラヂオで放送された直後の事でしたので...
上村松園 「旧い記憶を辿つて」
...そら此處(こゝ)にゐる此(こ)の不幸(ふかう)な人達計(ひとたちばか)りが恰(あだか)も獻祭(けんさい)の山羊(やぎ)の如(ごと)くに...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...ABC(アルファベット)とも亜剌比亜(アラビア)文字ともつかぬ日本にない大変な恰好(かっこう)の片仮名が交(まじ)って...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...私は恰度あの列車を運転していたのです...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...この恰好で紺の腹がけを掛けさせたらとんと金太郎そのままだと思うと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...でこの点は恰も一般に科学にとっての基礎概念――心理学では夫が意識である――が...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...恰も方法というものになるのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...先に出て来たのが背と言い恰好(かっこう)と言い七兵衛そっくり...
中里介山 「大菩薩峠」
...恰好(かっこう)なところがありますか...
中里介山 「大菩薩峠」
...世界の恰好(かっこう)が少し変って来たと云う自覚が取れなかった...
夏目漱石 「それから」
...恰(あたか)も蔓(つる)をたぐるように理解せられて行くのである...
西田幾多郎 「読書」
...その他あらゆる恰好で...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...皺のよったの――まだ恰好も十分ついていないほんの子供のくせに...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...恰で性体もなく眠るんだもの...
牧野信一 「眠い一日」
...丸々と肥った恰好は五月人形の金太郎そのまま...
山本笑月 「明治世相百話」
...不意を打たれて度を失った恰好で...
夢野久作 「一足お先に」
...ぞろぞろと、その恰好で、旅館の門を出、反町さんを東道に、次の越後路巡りを、まず長岡へ向う...
吉川英治 「随筆 新平家」
...何時もの通り水島を訪れると恰度又彼があの不可思議な『眠り』をして居るところに行き合った...
蘭郁二郎 「息を止める男」
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