...――炉端のようなおなじ恰好(かっこう)に...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...」と宗吉は恥かしさうに子供のやうな恰好をして云つた...
宇野浩二 「質屋の小僧」
...恰も彼が無関心である処の社会そのものの内にあるのだから...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...此等の点は恰も私自身が最も積極的に主張したい処にぞくするからである...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...先達(せんだっ)て見た時とほぼ同じように粗末な服装(なり)をしている彼女の恰好(かっこう)は...
夏目漱石 「道草」
...いきなり長い顏なんか出しやがつて」錢形平次は大尻端折の植木の世話を燒く恰好で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五十八といふにしては、恰幅も見事、若い時は撃劍(げきけん)の一と手位はやつたらしく、容易に人に斬られる筈もないのですが、土藏の中で全く不意に襲はれたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで風呂屋へでも行くような暢気な恰好で通りかかった浪人体...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...今日の云ふことゝ明日の云ふことゝ恰で違ふんですもの……馬鹿見たい...
牧野信一 「お蝶の訪れ」
...人の気合ひもない寂しい川のほとりや、森の蔭などをわたしはひとりで歩かうとしながら、いつも途中で、それに堪えられなくつて引き返してしまふ意久地なさと、そして風物自然の美しさを見損なつた夢をふつふつと嘆いてゐるわれながらの至らざるおもひと、恰度同じように、その作の不思議なる美しさやおもしろさを見損なつたのである...
牧野信一 「痩身記」
...恰で逆立ちをしてゐる見たいな格構で...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...恰好のよい玉子を載せてゐた...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...プリニウスさえが笑っているところの彼らの物腰恰好のしかつめらしさや物々しさとか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...碌(ろく)な本は在りやがらねえ……といったような恰好で悠々とバットの煙を輪に吹きながら出て行くんだから大した度胸でげす...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...洒落た門構えの恰好に立っているのが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...のべつ酔っているような恰好だった...
吉川英治 「平の将門」
...五十恰好(かっこう)肥(ふと)り肉(じし)なその権僧正は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...恰も其の実況を見るが如くなるを従って聞けば従って記し...
若林※[#「王+甘」、第4水準2-80-65]藏 「怪談牡丹灯籠」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??