...得したなあ」酔つたように突ツ立つている恰好はモツサリとして顔は真黒にすすけていたが...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...恰度三十の歳の三月に...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...恰も一幅の墨繪の如く...
大町桂月 「八鹽のいでゆ」
...その恰好を一目でも舅(しうと)の山県公に見せたら...
薄田泣菫 「茶話」
...覚えず禁庭の月に立ちさまよひ……」恰(まる)で自分が内侍と色事でもしてゐるやうな調子で...
薄田泣菫 「茶話」
...どの山も奇妙な恰好(かっこう)をしていたが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...恰(あたか)も戦場に赴(おもむ)く軍隊のような感があった...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...恰もこの文学至上主義が今日この傾向の最も著しい特色をなしているだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...柄香炉(えこうろ)を持つような恰好(かっこう)をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...恰も冷たいメスで人間の心理を切り分けてでもゐるやうな...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...「これは大変だ、どこから持って来たんだ」舞踊家を顧(かえり)みて聞くと、「買ったんです」「君が?」「アラ、馬鹿になさるものじゃありませんワ、私だってそれ位のものは買えますワ」「ヘエ、何百万円に」「何百万円はよかったワネ、八円五十銭よ、随分高いでしょう」商売柄に似ず、好んで和服を着る春日野ゆかりは、少しツンとした形ちで、恰好のいい髪と、立派な鼻筋を見せ乍(なが)ら、横の方を向いて、埃及(エジプト)模様のしゃれた襟をかき合せます...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...色が白いとか恰好が何うだとか言ふて世間の人は暗雲(やみくも)に褒めたてた女(もの)で御座ります...
樋口一葉 「十三夜」
...釣をするなんて恰好じゃない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...だいぶみっともない恰好になっているらしい...
久生十蘭 「だいこん」
...「俺達に寄せてゐるローランドの愛情が恰度平均されて居り...
牧野信一 「サクラの花びら」
...すると恰もゼーロンは私のその意を察して逆ひ出した如くに...
牧野信一 「夜見の巻」
...腰まわりが恰好よく発達している割に...
山本周五郎 「百足ちがい」
...恰(あたか)も自分自身が両親の罪を背負っているかのように...
夢野久作 「暗黒公使」
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