...昨晩恰度お腹が少し変だつた所でしたから……折角お使者(つかひ)を下すつたのに...
石川啄木 「鳥影」
...恰度安井の言葉が耳に入らなかつたやうに...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...彼はその恰好(かっこう)が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...恰度(ちょうど)その時雲の霽間(はれま)にその全貌(ぜんぼう)を現わした焼岳の姿と色彩とであった...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...思出の詩料に残すのは温厚なる小野さんにもっとも恰好(かっこう)な優しい振舞である...
夏目漱石 「虞美人草」
...恰好(かっこう)な温(ぬく)もりを与えた...
夏目漱石 「明暗」
...恰好が浅ましいばかりでなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その右手に持たせる恰好にし蝋燭(らふそく)を吹き消して――こいつはやり過ぎだつたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あまり威勢の良い恰好ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...恰(あたか)も武力を以(もっ)て征服したる国民に臨むが如(ごと)し云々とて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...いつまでも露台で同じような恰好をして同じところへ目をやっているような明の後姿をじっと見守っていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...御覧の如く前輪は恰も水車のやうに大きく...
牧野信一 「写真に添えて」
...恰(まる)で気狂ひのやうに...
牧野信一 「白明」
...恰度昨年の六月村で書いた「山彦の街」の続篇を書くべく用意したのでありましたが...
牧野信一 「附「歌へる日まで」」
...恰度(ちょうど)その時...
室生犀星 「野に臥す者」
...しかしその生地がセメント塗りで恰好だけ作ってあるので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...洗濯をするような恰好でますます強く大旗を揺り動かして歌った...
横光利一 「旅愁」
...そのうちに主婦らしい五十恰好の人が裏口からはいつて来た...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
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