...恰度朝の事で、冷え冷えとした陸橋(ブリッジ)の上にも、露に濡れた線路の上にも、もう附近の弥次馬達が、夥しい黒山を作っていました...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...恰度人間の手型を捺(お)したかと思われる汚点(しみ)です...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ペルゴレーズ街の殺人事件」
...甘美恰も蜜に似る言に直ちに讃し曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...吾々は恰も「問題」の概念を注意するのである...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...而も観念・意識・は恰もそういう存在上の同一性を...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...クリティシズム(批評)というものが恰もこうした独特の法則性を持っていることを思い出さねばならぬ...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...恰も大隈伯と正反対の方向を取ることなりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其の儘(まま)何ともいえない恰好(かっこう)で飛び跳ね...
中島敦 「光と風と夢」
...両者とも空間に静止した恰好になる...
中谷宇吉郎 「宇宙旅行の科学」
...その目的には霜柱のようなものの研究がいかにも恰好である...
中谷宇吉郎 「霜柱と白粉の話」
...恰も肺の強くない人の...
夏目漱石 「それから」
...何という変てこな恰好(かっこう)の芸人だろう...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...建もの疎開のため動員されて恰度...
原民喜 「星のわななき」
...調べているような恰好だ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...恰度当月で期間が絶れた...
牧野信一 「凩日記」
...埃だけが積つてゐる円卓子を取り囲んだ連中は恰も鴉のやうな放神状態で...
牧野信一 「酒盗人」
...Gは恰も彼女の使用人のやうであつた...
牧野信一 「村のストア派」
...しばらく宙ぶらりんに吊した恰好で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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