...両手をまたその前に突出(つきだ)して泳ぐような恰好をしながら歩こうとしたのですが...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...恰度其日が一七日と氣がつきましたから...
石川啄木 「雲は天才である」
...恰好が恰好だし――」「便器に見えるのか?」「いや...
梅崎春生 「狂い凧」
...佐々に抱きつかれたような恰好だが...
海野十三 「火星兵団」
...三時間で行ってこられる恰好(かっこう)な散策地でわれもひともちょっと考えつかないようなわすれられた場所はないものかとしあんしたすえにいつからかいちど水無瀬(みなせ)の宮へ行ってみようと思いながらついおりがなくてすごしていたことにこころづいた...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そして恰も重力・電磁気ポテンシャルこそ物理学の対象でなければならない...
戸坂潤 「科学方法論」
...恰(あたか)もそんな遠くでしている風の音をわざわざ聞きに出でもしたかのように...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...何んだか得體の知れない恰好をした菰被りの荷が...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...彼らの棲(す)む恰好(かっこう)の土地が無いはずはなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...専門が恰で違ふので仕事の話は殆ど取り換したことはありませんけれど二人とも他に親しい友達がないので昔のまゝに往来してゐるのです...
牧野信一 「蔭ひなた」
...酒樽は田野の指図で恰度私達の眼下の空地に並べられた...
牧野信一 「酒盗人」
...スリー……何々何々! と恰も銀鈴のやうに澄み渡つた号令をかけ...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...恰で妾の云ふことを聞かないのさ...
牧野信一 「妄想患者」
...恰も浦島太郎の夢を髣髴する村でまつたく私は...
牧野信一 「山の見える窓にて」
...恰も相集まる直線が作る無限の角が会する単一な中心の如きものである...
三木清 「人生論ノート」
...若林博士は恰(あたか)も器械か何ぞのようにピッタリと口を噤(つぐ)んだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...恰(あたか)も同博士独特の毒物の反応検査を試みるかのように...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...かつて彼自身が景陽岡(けいようこう)でしとめた大虎そッくりな恰好にされ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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