...可成彼に暁(さと)られざらむ様に息を殺して...
石川啄木 「葬列」
...人間が息を殺して隠れている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...ポケット小僧は息を殺して...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...一座は息を殺してぱたりと静かになった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...彼女は彼が息を殺しているのを見た...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...待て!」今まで息を殺していた土方歳三が大喝一声(だいかついっせい)...
中里介山 「大菩薩峠」
...息を殺していると芹沢は...
中里介山 「大菩薩峠」
...息を殺して隠れて居た...
萩原朔太郎 「僕の孤独癖について」
...おせいは、息を殺して、富岡に寄り添つて、案外、富岡のするまゝに任せて、富岡の接吻に応(こた)へてゐたが、二階で、ゆき子が大声で笑つたので、富岡はおせいをはなした...
林芙美子 「浮雲」
...凝つと息を殺してローレンス・スターンを翻訳しよう...
牧野信一 「風流旅行」
...息を殺して街道に忍び出た...
牧野信一 「変装綺譚」
...ひとつになつて息を殺してゐた...
牧野信一 「妄想患者」
...反対側に在る長持を飛び越へると隅に立て掛けてある屏風の箱の蔭に身を隠して息を殺してゐた...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...なるべく近づいて息を殺しているんだ」合点(がってん)という風に...
吉川英治 「江戸三国志」
...息を殺して見つめていると...
吉川英治 「江戸三国志」
...息を殺しておりましたのさ」弦之丞と同行同衣(どうぎょうどうえ)の遍路にやつした見返りお綱...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...こりゃ事件(こと)がいよいよ錯雑(さくざつ)して来たわい』なおも息を殺して怪しい女客の様子を覘(うかが)っていると驚いた...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...宛(さなが)ら自分等があの亂暴な野卑な催促を受けて居るかのやうで二人とも息を殺して身を小さくして縮(すく)んでゐたのである...
若山牧水 「一家」
便利!手書き漢字入力検索