...恬然(てんぜん)と僕にかう言ひました...
芥川龍之介 「河童」
...恬然(てんぜん)と馭者台に坐っている...
芥川龍之介 「上海游記」
...恬然(てんぜん)とその説を信じている...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...人を謝し学を修め一箇恬退(てんたい)の人となり玉(たま)わば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...自然に無事を喜び恬を好むの風度あるを見る又以て此の二大政治家の個性を諒す可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...いかに恬然(てんぜん)として天職の名を容易に僣することであるか!ビヤンヴニュ閣下は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...恬(てん)として既往を忘れたふりのできる顕官(けんかん)連や...
中島敦 「李陵」
...一人の殺人犯を見逃してそれで恬然(てんぜん)と行い済ませて居られるのでありましょうか? 私は私の苦しい心情を...
西尾正 「陳情書」
...物慾に恬淡(てんたん)だと思はせた鐵心道人が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...宮城(みやぎ)のにあらぬものからから衣なども木萩(こはぎ)のしげきなるらんと恬然(てんぜん)と一笑した人の墓石は...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...恬然(てんぜん)として...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」自註に「往年信恬数詣公夫人...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「信恬又識」と再署してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...信恬自有私見...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...法諡を芳桜軒自安信恬(はうあうけんじあんしんてん)居士と云ふ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...いつまでも恬(しず)かな容子を視ているうちに...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...恬(てん)として...
吉川英治 「鬼」
...大火に対してなんの防備もない厖大な都市を恬然(てんぜん)として築造して行くほどの愚は...
和辻哲郎 「地異印象記」
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