...恬然(てんぜん)と煙草をふかし始めた...
芥川龍之介 「着物」
...又我我の恬然(てんぜん)と我我の愚を公にすることを恥じないのは幼い子供に対する時か...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...恬然(てんぜん)として答へるのである...
芥川龍之介 「虱」
...あのやうに恬然(てんぜん)と保食(うけもち)の神を斬り殺す勇気はなかつたであらう...
芥川龍之介 「僻見」
...そうした醜さを恬然(てんぜん)としてさらけ出しているような横顔だった...
高見順 「如何なる星の下に」
...恬然(てんぜん)として愧(は)ずることなし...
田口卯吉 「将来の日本」
...いかに恬然(てんぜん)として天職の名を容易に僣することであるか!ビヤンヴニュ閣下は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...父は名利に恬淡で貧富に心を動かさぬ性質だから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...大不道徳を犯して恬然(てんぜん)として社会に横行しつつあるのである...
夏目漱石 「野分」
...ブラームスはきわめて恬淡(てんたん)で...
野村胡堂 「楽聖物語」
...恬(てん)として恥ずる者なし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...阿賀妻は恬然(てんぜん)と用意をなし了(お)えた...
本庄陸男 「石狩川」
...武人だけに金銭には恬淡なのだとも言えまい...
牧逸馬 「運命のSOS」
...話してゐる人達は話すそばから忘れてゐるやうな恬淡さなのに...
牧野信一 「女に臆病な男」
...蘭軒信恬(のぶさだ)は此信階の子である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...次に「茶山菅先生之在江戸、一日犬冢印南、今川槐庵、及恬、同陪先生、為墨水舟遊、先生帰郷、十年於此、而今年犬冢今川倶逝、頃先生集刻成、至読其詩慨然」として、七絶が載せてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...恬淡(てんたん)な翁独得の妙味があります...
山本笑月 「明治世相百話」
...諸事恬淡(てんたん)の江戸ッ子気性ながら...
山本笑月 「明治世相百話」
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