...沈んだ恨めしそうな目でじっと叔父をにらめたと思うと...
有島武郎 「或る女」
...わがままばかししているとねえさんはききませんよ」貞世はさびしそうな恨めしそうな顔をまっ赤(か)にして葉子のほうを振り向いた...
有島武郎 「或る女」
...彼は恨めしそうに厚い脣の中に押込みヤケに噛み潰すと...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...仙吉は恨めしそうに信一の顔を横目で睨んで...
谷崎潤一郎 「少年」
...何処かの隅(すみ)から恨めしそうに此方を見ているように思えて仕方がなかった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...恨めしそうな表情をして...
直木三十五 「南国太平記」
...恨めしそうに壊れた商売道具を見ています...
中里介山 「大菩薩峠」
...とにかく、米友は、やみくもに出発しようとして、お角さんのことを考えると、ポッキと決心が折れてしまい、恨めしそうに、お角さんの方の部屋をながめたが、やがて、くずおれるように下にいて、せっかく、ととのえた旅の仕度を、いちいちもぎ放してしまって、今まで飾り物のようにしてあった宿の夜具蒲団の中へ、有無(うむ)をも言わさずに、もぐり込んでしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...星もない空を恨めしそうにながめながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...真面目くさッて人を威(おど)かして……」ト云ッて悔しそうにでもなく恨めしそうにでもなく...
二葉亭四迷 「浮雲」
...またこの後(ご)の所を念を押したら、恨めしそうに、「貴君(あなた)は私をそんな浮薄なものだと思ッてお出でなさるの」ト云ッてくれるかも知れぬ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...彼女は只食いされた菓子や酒のことを――まだその勘定を払ってもらうというかすかな望みを持っていた菓子や酒のことを――いつまでも恨めしそうに考えていたんだからねえ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...ハテナと見やると「恨めしそうに見えぬ眼を斑に開いて...
正岡容 「我が圓朝研究」
...「恋ひ死なばたが名は立たん」などと恨めしそうなことを書いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また新しく私をあわれんでくだすってよい方はその心になってくださらないし『世のうき目見えぬ山路』とも思われません」と恨めしそうに言い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...弟は恨めしそうな目つきをいたしましたが...
森鴎外 「高瀬舟」
...「新宿駅まで……全速力だぞ……車内照明(ルーム)を点(つ)けないで……」運転手は札(さつ)を握ったまま恨めしそうに振り返った...
夢野久作 「暗黒公使」
...童子は恨めしそうに...
吉川英治 「三国志」
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