...ああ云う大嗔恚(だいしんい)を起すようでは...
芥川龍之介 「俊寛」
...嗔恚(しんい)に牽(ひ)かれたのに相違ない...
芥川龍之介 「俊寛」
...けれども腹綿は恚忿(いふん)と殺意のために煮えくりかえっているらしく眼がしらや言葉のはしはしが児蛇の舌のようにちろちろ燃えあがっているのが私にさえたやすくそれと察知できるくらいに...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...どこにある!」瞋恚(しんい)と憎悪に燃えて...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...おろそかなる味はひ落ちぶれたる衣には瞋恚(しんい)の思ひ浅からず...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...かくて瞋恚の父と共...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 205瞋恚を胸に蓄へて互に離れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...120やがて未曾有のおほいなる憤怒瞋恚は恐るべく...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...瞋恚(しんい)の焔とでも云うのか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...瞋恚の爪を私の胸に立てようとしていたのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...むらむらと瞋恚(しんい)の炎を燃やして...
中里介山 「大菩薩峠」
...その怖るべき瞋恚の一念に駆(か)られて...
中里介山 「大菩薩峠」
...さきには忿怒瞋恚(ふんぬしんい)の形相のみが眼に入ったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...瞋恚と絶望と哀愁とが各三分の一ぐらいずつ入り交ったるが如き...
久生十蘭 「魔都」
...瞋恚(しんい)の眼(まなこ)で読み下している人――それは寮の主(あるじ)...
吉川英治 「剣難女難」
...瞋恚(しんい)に燃えていたことは当然だろう...
吉川英治 「松のや露八」
...財ある人は必ず嗔恚恥辱の二つの難に逢っている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...取られまいとすれば嗔恚(しんに)がたちまちに起こる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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