...その嗔恚の源(みなもと)はと云えば...
芥川龍之介 「俊寛」
...嗔恚の祟(たた)りはそこにもある...
芥川龍之介 「俊寛」
...片時もその苦しさをやすめることが出來ないやうな生活と比べたなら? あのやうな無理な壓制が行はるゝやうな生活と比べたなら? またその身が不斷にやつてゐるやうな愼恚と嫉妬の生活と比べたなら? 大勢の妃を竝べて...
田山花袋 「道綱の母」
...何んなに人間に悲哀があつても――その愼恚と嫉妬とのために身も魂も亡びさうになるやうなことがあつても...
田山花袋 「道綱の母」
...私には馴染のふかい例の瞋恚(しんい)のまなざしでわたしの眼を睨みつけて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...かくて瞋恚の父と共...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...さきには忿怒瞋恚(ふんぬしんい)の形相のみが眼に入ったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...繰り出す槍の穂先には瞋恚(しんい)の(ほむら)が焼け付いている...
夏目漱石 「幻影の盾」
...瞋(いか)り恚(はらだ)ち愚癡我慢...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...瞋恚(しんい)と憎悪のいり交ったるごとき凄じい視線を自分のほうに送っているそれであった...
久生十蘭 「黒い手帳」
...その他蛇を瞋恚(しんい)の標識とせる事多きは...
南方熊楠 「十二支考」
...諸恚毒(いどく)を滅し得...
南方熊楠 「十二支考」
...予(かね)て訓(おし)え置いたに何故子を伴れて出ぬぞと恚(いか)る...
南方熊楠 「十二支考」
...紛(まぎ)れもなく怖ろしい瞋恚(しんい)にもえて...
吉川英治 「剣難女難」
...それに瞋恚(しんい)を燃やしている呂布にも...
吉川英治 「三国志」
...藤夜叉はすぐ男の無情に挑(いど)まれて瞋恚(しんい)の炎(ほむら)になるのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...瞋恚怨念(しんいおんねん)の炎の裡(うち)にあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかるに痴愚なる人は財宝を貯え嗔恚を抱く...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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