...慎恚(しんい)のほむらは天に冲(ちゅう)するかと思われ...
海野十三 「電気看板の神経」
...彼女の壮大なる虚栄――はけ口のないロマンチシズムが立てこもる、虚栄という城砦は破壊され、その廃墟の上に、瞋恚と憎悪が、旗をたてたのだった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...けれども腹綿は恚忿(いふん)と殺意のために煮えくりかえっているらしく眼がしらや言葉のはしはしが児蛇の舌のようにちろちろ燃えあがっているのが私にさえたやすくそれと察知できるくらいに...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...嫉妬と恚りとで半ばもみくちやにされた...
田山花袋 「道綱の母」
...何んなに人間に悲哀があつても――その愼恚と嫉妬とのために身も魂も亡びさうになるやうなことがあつても...
田山花袋 「道綱の母」
...かくて瞋恚の父と共...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 60瞋恚は滿たすべきならず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...瞋恚(しんい)の焔とでも云うのか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...むらむらと瞋恚(しんい)の炎を燃やして...
中里介山 「大菩薩峠」
...瞋恚(しんい)して欲せじ...
三木清 「親鸞」
...瞋恚(しんい)常なし...
南方熊楠 「十二支考」
...予(かね)て訓(おし)え置いたに何故子を伴れて出ぬぞと恚(いか)る...
南方熊楠 「十二支考」
...ではその幻の裡に――と思うと彼の全身は憤恚(ふんい)の火となって包まれた...
吉川英治 「剣難女難」
...それに瞋恚(しんい)を燃やしている呂布にも...
吉川英治 「三国志」
...彼の瞋恚(しんい)に炎(ほむら)となっていたものらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...きっとこの返報は」つい瞋恚(しんい)に燃えやすい怏々(おうおう)の胸を...
吉川英治 「私本太平記」
...理性と瞋恚(しんい)のあいだに迷いぬく姿であった...
吉川英治 「私本太平記」
...孫兵衛の瞋恚(しんい)の耳には...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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