...恙(つつが)なく松山の城下へはいった...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...恙(つゝが)なく家に歸らしめ給へといふ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...なほこの命恙(つつが)なくば...
巌谷小波 「こがね丸」
...御身の恙なき帰国をこそ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...それに少し遅れて第二女の縁付先から無恙(つゝがなく)男子分娩(ぶんべん)といふ手紙を受取つた...
相馬泰三 「夢」
...何の恙(つゝが)もお在(は)さぬに...
高山樗牛 「瀧口入道」
...忽ち風かはり恙なく松前の地に渡り給ひぬ...
太宰治 「津軽」
...御飯を炊いてゐるところへ、ひよこりと樹明君、要件を持つて山口へ出かけるから、いつしよに行かうといふ、もう誰も来さうにないし、歩くのは好きだし、二人ではアブナイと思はないではなかつたが、一時の汽車で出かける、要件をすまして、周二居に誘はれて罷り出る、いろ/\御馳走を戴いた、酒もうんと戴いたことはいふまでもない、暮れてお暇乞する、さてそれからが例によつて例の如しだつた、遺憾なく梯子酒根性を発揮した、……カフヱーからカフヱーへ、おでんやから、おでんやへ、車動車から自動車へ、……どしやぶりの中を山口から小郡まで飲みあるいた、あまり銭は費はなかつたけれど、飲んだね、たしかに飲んだね……それでもTちやんに送られて、恙なく、ひよろ/\と帰庵した、一時を過ぎてゐたらう...
種田山頭火 「其中日記」
...「昨夜恙(つつが)なく帰宅致し候儘(まま)御安心被下度(くだされたく)...
田山花袋 「蒲団」
...彼とリネツトは恙がなく河を渡り超えた...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...多忙と微恙(びよう)に煩わされてはなはだまとまりの悪い随筆になってしまったのは遺憾である...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...敵陣よりし恙なき歸參を祈れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...恙(つつ)がなく退京しちまったんですよ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...祭はこうして恙(つつが)なく終りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...母上兄妹(けいまい)の恙(つつが)なきを喜びて...
福田英子 「妾の半生涯」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...いつもいつもお恙(つつが)なく...
吉川英治 「黒田如水」
...春雷(しゅんらい)一年毎の梅はことしも恙(つつが)なく咲きみちている...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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