...さすがの原君も、「ただ平五郎さんじゃあ、とどきますまい」って、恐縮していたが、とうとうさじを投げて、なんとか町なんとか番地平五郎殿と書いてしまった...
芥川龍之介 「水の三日」
...―――御懇篤な御書面に接して恐縮している...
谷崎潤一郎 「細雪」
...恐縮している父に...
徳永直 「戦争雑記」
...氏は忽ち恐縮して理由を具して退会を申し出たそうだ...
戸坂潤 「社会時評」
...彼は恐縮して詫(わ)びた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「先生にもお似合いなさらぬことで……」と、お絹はなんだか意味のありそうに言うと、道庵は恐縮して、「ツイどうも、あんなことになってしまって甚だ申しわけがない、わしも面白半分で出かけて行って見ると、ワイワイ騒いでお粥(かゆ)を食っている様子があんまりいいもんだから、ツイ大八車の上へ乗っかってよけいなことを喋(しゃべ)ってしまうと、みんながまた馬鹿に嬉しがって、やんややんやと讃(ほ)めるから少しばかり調子に乗ってしまってるうちに、騒ぎがだんだん大きくなるので、こいつはたまらねえと、逃げ出すのも面倒だから車の上へグウグウ寝込んでしまったようなわけで...
中里介山 「大菩薩峠」
...いよいよ恐縮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...旦那様」与八は恐縮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...非常に恐縮して言った...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...「かごや」の手違については充分営業部でも恐縮してゐる由...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ぽかぽかとして……」「悪るかつたなあ!」私は心底から恐縮して相手の顔も見られず...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...恐縮して気をとり直したが...
牧野信一 「露路の友」
...ますます恐縮して...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...すつかり恐縮してしまつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...」ひどく恐縮してゐる爲めか...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...壮六 (恐縮して)どうも...
三好十郎 「樹氷」
...こらえかねて、家臣へたずねると、主人道誉は勝気にまかせ、一たん、ご装束(しょうぞく)を着(つ)けにかかったが、大熱にはかてず、俄に、ふるいを起してしまい、ただいま典医をよんで、薬湯をあげるやら何やらの最中なので――と、恐縮して、ただただわび入る態でしかないので、ぜひなく一おう立帰ってまいりました、という逐一な使者の報だった...
吉川英治 「私本太平記」
...佐渡は甚だしく恐縮して...
吉川英治 「宮本武蔵」
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