...さすがの原君も、「ただ平五郎さんじゃあ、とどきますまい」って、恐縮していたが、とうとうさじを投げて、なんとか町なんとか番地平五郎殿と書いてしまった...
芥川龍之介 「水の三日」
...したがって定めて御心をなやましておいでのこととひそかにはなはだ恐縮しています...
大杉栄 「獄中消息」
...いたく恐縮していましたが...
太宰治 「新ハムレット」
...随分草臥(くたび)れただろう」その度に盲はひどく恐縮して...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...すっかり恐縮してしまったことがあった...
寺田寅彦 「随筆難」
...恵比寿(ゑびす)のやうににこ/\した顔で恐縮してゐた...
徳田秋声 「チビの魂」
...恐縮していました...
豊島与志雄 「崖下の池」
...余恐縮して荅ふる所を知らず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...旦那様」与八は恐縮して...
中里介山 「大菩薩峠」
...長蔵さんは自分が頬辺を赤くしても、恐縮しても、まるで頓着(とんじゃく)しない...
夏目漱石 「坑夫」
...お若い同士のことで」老番頭は自分のことのやうに恐縮して額(ひたひ)を撫で上げるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「かごや」の手違については充分営業部でも恐縮してゐる由...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...吾ながら思はず恐縮して頭を掻いた...
牧野信一 「老猾抄」
...くだらん漫談をお目にかけ恐縮しております...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...私はすっかり恐縮して「マエストロ・パデレフスキー...
三浦環 「お蝶夫人」
...辞退したが聞かれないので恐縮して待つて居ると...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...近侍は恐縮して、あわててもう一つの床几(しょうぎ)を、石舟斎の方にすえた...
吉川英治 「剣の四君子」
...密(ひそ)かに恐縮していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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