...却つて對手に不安の念を與へることを恐れるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...それに忍んで両極を恐れることなく掴まねばならぬ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...怪盗岩が恐れる敵とは...
海野十三 「地中魔」
...私は余りに死者を恥しめることを恐れる...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...現実の母に会うことを恐れる気持があったのではなかろうか...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...百年の後を恐れる人には「いもりの黒焼き」でもうっかりは笑えないかもしれない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...私は折角深遠な「哲学」もこれでスッカリお座がさめはしないかを恐れるのである...
戸坂潤 「読書法」
...私は少しも恐れるようなことはなかったであろう...
外村繁 「落日の光景」
...また憎悪(ぞうお)の突発もある――と言うのが悪ければ――(あらゆる情熱とともに憎悪という言葉をも恐れるやさしい魂の人に不快をかけないため)――敵を感じて身を護る健全な人の本能...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一本気な従兄の怒りを恐れる気持をゴマカすやうに...
中原中也 「分らないもの」
...不思議に恐れる気持が無くなってしまいました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...たゞ恐れるのは遲々たる修理工事の間に...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...恐れる理由はもちろんなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...なあに癩病恐れる必要ありませんよ...
北條民雄 「いのちの初夜」
...それにかかり合ひになるのを恐れるやうにその場から逃げてくる者があつた...
堀辰雄 「羽ばたき」
...賢者はただ一冊の本の人間を恐れる...
三木清 「如何に読書すべきか」
...我々が命を失いはしないかと恐れる限り...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼の強大を打破るわけにゆきません」「なぜか! なぜそのように尊氏を恐れるのか」「さきにも申しあげましたように...
吉川英治 「私本太平記」
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