...葉子は心ひそかに自分を恐れながら...
有島武郎 「或る女」
...絶えず恐れながら...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...」あらぬ方を見ながら入道さまは、そのやうな事を独り言のやうにおつしやつて、それから何か思ひ出されたやうに、うん、とうなづき、「さきごろ参議雅経どのより御垂教を得て、当将軍家のお歌数十首を拝読いたしましたところ、これこそ蓮胤日頃あこがれ求めて居りました和歌の姿ぞ、とまことに夜の明けたるやうな気が致しまして、雅経どのからのお誘ひもあり、老齢を忘れて日野外山の草庵より浮かれ出て、はるばる、あづまへまかり出ましたといふ言葉に嘘はござりませぬが、また一つには、これほど秀抜の歌人の御身辺に、恐れながら、直言を奉るほどの和歌のお仲間がおひとりもございませぬ御様子が心許なく、かくては真珠も曇るべしと老人のおせつかいではございまするが、やもたてもたまらぬ気持で、このやうに見苦しいざまをもかへりみず、まかり出ましたやうなわけもござりまする...
太宰治 「右大臣実朝」
...………眼が蛍のように光ると云う蛇(へび)を恐れながら行ったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...……然し私は恐れながらもなお英子と二人きりの対座を願っていた自分の佗びしさを感じた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...美春は神子の視線を恐れながらも...
豊島与志雄 「非情の愛」
...「恐れながら――」仙波が...
直木三十五 「南国太平記」
...存じておろう――」「恐れながら――」「黙れっ――直々の差出口...
直木三十五 「南国太平記」
...三人とも、高木の腕に、一寸、恐れながら、それでも、隙を窺っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...恐れながら、わが御先代の小早川隆景公は日本第一の明将でございました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「恐れながら、御下屋敷の中(うち)、わけても御庭を拝見いたしとうございますが」平次は妙な事を言い出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「恐れながら――」「何が恐れながらだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その奴は道の側に小さくなって恐れながら御答(おこたえ)申上げますと云(い)うような様子だ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...恐れながらと俺が江戸の奉行所へ突走ればどうしなさるんだ?加多 ハハ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...大輔の命婦は迷惑になりそうなのを恐れながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とり糺(ただ)してまいれ」「恐れながら」丹後守は平伏して云った...
山本周五郎 「日本婦道記」
...恐れながら王様は只今何か夢を御覧遊ばしたのでは御座いませぬか」藍丸王は又もや言葉がよく解らないために返事が出来なかった...
夢野久作 「白髪小僧」
...鞍負(くらま)けするというものじゃ」「恐れながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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