...恐さも不安も知らないように見えた...
海野十三 「火星探険」
...恐さを知らぬ化物団は...
海野十三 「崩れる鬼影」
...異樣の恐さを感じる...
千家元麿 「自分は見た」
...側ではし切り無しに電車が通る深山の奧から一匹仲間に別れて來た小猿はひもじいのか恐いのか眠りもしないで寒い空氣の中で恐さうに眼を光らして居る...
千家元麿 「自分は見た」
...つい今までの恐さを忘れて忍び笑いを洩(も)らし始めた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...クリストフは恐さにひかれて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...意気は本所、仇は両国うかりうかりと、ひやかせばここは名高き、御蔵前一足、渡しに、のりおくれ夜鷹の舟と、気がつかず危さ、恐さ、気味悪さ小藤次は、眼を閉じ、脣を曲げて、一くさり唄い終ると「ざっと、こんなもので」扇を抜いて、忙がしく、風を入れた...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、縄をかけようとするので、草心尼は、いわれない縄目と、恐さも忘れ顔に、覚一を庇(かば)って叫んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の童心にもそれは異常な好奇心とも恐さともつかないものを抱かせていた...
吉川英治 「私本太平記」
...恐さも忘れるんです...
吉川英治 「小説のタネ」
...この恐さだけは、太平記の時代も今もお互いの中でいささかも減じてはいない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...――都に遊学した最初の日からの妙な機縁で、この男に、酒の味を教えられ、この男の、情的な一面に、親しみ馴れて、いつか、恐さもなく、またなき友みたいに、交わって来たが、考えてみると、これは大変な珍客である...
吉川英治 「平の将門」
...死の恐さよりもおそろしい速さで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...欣(うれ)しさやら、恐さやら、張りつめていた心がみだれて、「おのれっ」と、焦心(あせ)りたがる気持と、がくがくわななく体力とが、とたんに一致を欠いてしまって、思わず堤(どて)の小松の蔭へ、ぺたっと坐ってしまったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...毛の根に迫ってくるような恐さと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...恐さに顫(ふる)えながらも低く答えた...
吉川英治 「無宿人国記」
...二十四歳にもなったが、父の恐さは、幼少と変らなかった...
吉川英治 「柳生月影抄」
...実は甘えているからの恐さであった...
吉川英治 「柳生月影抄」
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