...逃げなければとても逃げる道はない』祖母は真暗な松原の中の恐さなどは忘れて...
伊藤野枝 「嫁泥棒譚」
...恐さも不安も知らないように見えた...
海野十三 「火星探険」
...群衆は恐さも忘れて...
海野十三 「空襲葬送曲」
...恐さを知らぬ化物団は...
海野十三 「崩れる鬼影」
...もう恐さも恥かしさもない...
海野十三 「大脳手術」
...恐さうに立つては嬉しくなり...
千家元麿 「自分は見た」
...どんなものも噛み碎き嚥み下ろし飽くを知ら無い恐さを感じる...
千家元麿 「自分は見た」
...異樣の恐さを感じる...
千家元麿 「自分は見た」
...滋幹は恐さに顔を背(そむ)けることも...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...意気は本所、仇は両国うかりうかりと、ひやかせばここは名高き、御蔵前一足、渡しに、のりおくれ夜鷹の舟と、気がつかず危さ、恐さ、気味悪さ小藤次は、眼を閉じ、脣を曲げて、一くさり唄い終ると「ざっと、こんなもので」扇を抜いて、忙がしく、風を入れた...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、縄をかけようとするので、草心尼は、いわれない縄目と、恐さも忘れ顔に、覚一を庇(かば)って叫んだ...
吉川英治 「私本太平記」
...投げられたあとは恐さなどもない...
吉川英治 「私本太平記」
...恐さも忘れるんです...
吉川英治 「小説のタネ」
...この恐さだけは、太平記の時代も今もお互いの中でいささかも減じてはいない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...将門の恐さというものを彼ほど知っている者はない...
吉川英治 「平の将門」
...欣(うれ)しさやら、恐さやら、張りつめていた心がみだれて、「おのれっ」と、焦心(あせ)りたがる気持と、がくがくわななく体力とが、とたんに一致を欠いてしまって、思わず堤(どて)の小松の蔭へ、ぺたっと坐ってしまったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...二十四歳にもなったが、父の恐さは、幼少と変らなかった...
吉川英治 「柳生月影抄」
...体験を持たない仕事へ践(ふ)み出す恐さと...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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