...――しかも僕はルノアルに恋々(れんれん)の情を持つてゐるやうに文芸上の作品にも優美なものを愛してゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...「いやしくも男子たるものがそう妻子に恋々としていられるか」というだろう...
伊藤左千夫 「去年」
...我輩は米人の平和に恋々たるを徳とし...
大隈重信 「文明史上の一新紀元」
...依々(いい)たり恋々(れんれん)たる心持ちである...
夏目漱石 「草枕」
...恋々(れんれん)たるわれを...
夏目漱石 「虞美人草」
...此の世の中に恋々と未練を持ち...
林芙美子 「浮雲」
...そが細君すらも悉(ことごと)く虚名虚位に恋々(れんれん)して...
福田英子 「妾の半生涯」
...つい感情的になつて恋々の言葉や懐郷の念があまり露はに湧き過ぎて堪え難く...
牧野信一 「サクラの花びら」
...皇后を想ふ恋々の情は更に烈しく湧き上つて...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...同じく失恋の痛手を一時たりとも癒すべく恋々していたこの夢幻の世界をものの見事に破壊してしまった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...これが平井氏の戴師持念仏に恋々たる所以(ゆえん)である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...何を恋々としておるかなどと...
吉川英治 「黒田如水」
...……それを恋々小情の迷いにとらわれ...
吉川英治 「黒田如水」
...敗亡の故主を恋々とお慕いあるなど愚かではありませんか」「丞相の高恩は...
吉川英治 「三国志」
...獄裡(ごくり)の夢にも夜々恋々(よよれんれん)と消し難いものがおありなのにちがいない……と...
吉川英治 「私本太平記」
...恋々(れんれん)と口には出せなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...「こんな厄介ものを、平家も恋々とし、頼朝も欲しがりぬいておる...
吉川英治 「源頼朝」
...乳くさい感傷に恋々と心を揺すられ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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