...しかもその愚に恋々たる私自身の意気地なさを憐れまずにはゐられないのである...
芥川龍之介 「後世」
...昔からの名物というその名に恋々として改良を加えなければ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...彼女は恋々(れんれん)の情にたまらなくなっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...依々(いい)たり恋々(れんれん)たる心持ちである...
夏目漱石 「草枕」
...恋々(れんれん)と遠のく後(あと)を追うて...
夏目漱石 「虞美人草」
...其光景を思い浮べて恋々たるのである...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...いつまでも恋々としてゐるものだ...
林芙美子 「浮雲」
...当時全盛に全盛を極めたる重井の虚名に恋々(れんれん)して...
福田英子 「妾の半生涯」
...そが細君すらも悉(ことごと)く虚名虚位に恋々(れんれん)して...
福田英子 「妾の半生涯」
...にはかに歴然たるハルミへの恋々の情が泉のやうに湧きあがつて来るのであつた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...同じく失恋の痛手を一時たりとも癒すべく恋々していたこの夢幻の世界をものの見事に破壊してしまった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...彼の様子に殆ど「恋々」という形容詞があてはまりそうな何ものかが在るのに驚いた...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...なお恋々(れんれん)...
吉川英治 「上杉謙信」
...恋々たる未練がありそうですから...
吉川英治 「三国志」
...恋々(れんれん)と口には出せなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...現職に恋々として...
吉川英治 「新書太閤記」
...スガ目の忠盛にあきたらぬこと年久しく――しかもなお虚栄に富んで女の晩春に恋々(れんれん)たる彼の母は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...杉本画伯も恋々と那智の美について車中語りつづける...
吉川英治 「随筆 新平家」
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