...吾等の自ら恃みとする處が相踵いで崩落することを覺える時に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...我の信仰と行為に恃みてそこに小なる安心と誇りの泉を穿つのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...然れどもおのれを恃みて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...あえて超自然事を恃みし...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...顧ふに議會開設以前までの學堂は、唯だ夸大なる空想と、奇矯なる言動とを以て、漫に聞達を世間に求め、天下經綸の實務は一切夢中にして、獨り氣を負ひ、才を恃み、好むで英雄を氣取り大政治家を擬したる腕白書生たりしに過ぎず試に其事實を擧げむか、明治二十年、時の伊藤内閣の歐化政略が、激烈なる輿論の攻撃を受け、物情洶々として形勢穩かならざるや、忽焉として保安條例なるもの天來し、處士政客大抵京城の外に放逐せられ、滿城肅然たり當時學堂亦逐客の伍伴となるや、彼れ莊嚴正色人に語つて曰く、伊藤博文はナポレオン三世を學びて、クーデターを行ふ、我れは即ち當年のユーゴーたらむと是れ一時の諧謔に非ずして、實に彼れの肺肝より出でたる眞面目の語なりき聞く者皆其抱負の不倫を笑ふと雖も、當時彼は疑ひもなく、一個愛す可き小ユーゴーたりしなり後ち彼れが英京龍動に遊ぶや、日に學者政治家と來往して氣を吐く、其論往々無責任にして放縱に屬するものあり、英人某氏諭して曰く、政治家は言に小心にして、行に大膽なるを要す子夫れ少しく修養を積めよ、彼れ聲に應じて曰く、我は言行共に壯快偉大なる政治家たるを望む、腐儒俗士の事は我れの知る所に非ずと其の氣を負ひて自ら大とするの概以て見る可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...顧ふに議会開設以前までの学堂は、唯だ夸大なる空想と、奇矯なる言動とを以て、漫に聞達を世間に求め、天下経綸の実務は一切夢中にして、独り気を負ひ、才を恃み、好むで英雄を気取り大政治家を擬したる腕白書生たりしに過ぎず試に其事実を挙げむか、明治二十年、時の伊藤内閣の欧化政略が、激烈なる輿論の攻撃を受け、物情洶々として形勢穏かならざるや、忽焉として保安条例なるもの天来し、処士政客大抵京城の外に放逐せられ、満城粛然たり当時学堂亦逐客の伍伴となるや、彼れ荘厳正色人に語つて曰く、伊藤博文はナポレオン三世を学びて、クーデターを行ふ、我れは即ち当年のユーゴーたらむと是れ一時の諧謔に非ずして、実に彼れの肺肝より出でたる真面目の語なりき聞く者皆其抱負の不倫を笑ふと雖も、当時彼は疑ひもなく、一個愛す可き小ユーゴーたりしなり後ち彼れが英京竜動に遊ぶや、日に学者政治家と来往して気を吐く、其論往々無責任にして放縦に属するものあり、英人某氏諭して曰く、政治家は言に小心にして、行に大胆なるを要す子夫れ少しく修養を積めよ、彼れ声に応じて曰く、我は言行共に壮快偉大なる政治家たるを望む、腐儒俗士の事は我れの知る所に非ずと其の気を負ひて自ら大とするの概以て見る可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その恃みきった久助さんとても...
中里介山 「大菩薩峠」
...供廻(ともまわ)りの多勢なのを恃み...
中島敦 「山月記」
...供廻りの多勢なのを恃み...
中島敦 「山月記」
...只管天險の比なきを恃み...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...あまり自己が恃みになりそうもなくて落ちつきのない者は...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...自らの力を恃みて...
波多野精一 「時と永遠」
...人間的主體が自らの力を恃みて永遠を手掴みにしようとする僭越なる企圖は...
波多野精一 「時と永遠」
...それは主體が自らの力を恃みわが本然の姿である眞の有限性を脱却し...
波多野精一 「時と永遠」
...お互ひに何で明日(あした)を恃みませうや――だ...
牧野信一 「サクラの花びら」
...いくらその大を恃みにしてみたところで潰え去るであらう...
吉川英治 「折々の記」
...ただ一つの恃みは...
吉川英治 「黒田如水」
...ともすれば他を恃みたくなる雑念を焼き払って...
吉川英治 「日本名婦伝」
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