...しかしそれをやっと怺(こら)えて...
海野十三 「地球要塞」
...じっと怺(こら)えながら室の中央に進んだ...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...息子ども頻りに家に歸れといひ越せど、畑が惜しさに、寂しさを怺へて、住み居るなり...
大町桂月 「鹿野山」
...「何をするんです? もうあんなに謝罪つたんだから怺へてくれたつていゝぢやないか...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...私は噴き出しそうなのを怺(こら)えて...
太宰治 「一燈」
...そしてとう/\怺(こら)へきれずに...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...私は何かをじっと怺(こら)えているような様子をして...
堀辰雄 「幼年時代」
...笑ひを怺えるために唇を噛んでゐた...
牧野信一 「南風譜」
...相手が、女、折も折、じっと、怺(こら)えて、苦く笑って、「まあ、姐御、そんなに腐らねえでもいいじゃねえか――どうせ踏み込んだ泥沼だよ――それに、素(す)ッ堅気(かたぎ)がっている奴だって、大ていおれ達と違ったものでもねえようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...けれども怺えた...
室生犀星 「幼年時代」
...だが痛みを怺(こら)えて凝視(ぎょうし)すると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...お怺(こら)えくださいますように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...蛭(ひる)に喰われたりヤブ蚊にさされたりの沈黙をじっと怺(こら)えて...
吉川英治 「平の将門」
...怺(こら)え声も止んでしまうと...
吉川英治 「八寒道中」
...もう怺(こら)えきれない天狗が吹き出してしまった...
吉川英治 「源頼朝」
...それでは二十日(はつか)あまり怺(こら)えてきた忍苦がなんの意味もなさなくなってしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...黙って怺(こら)えていろと仰っしゃる新蔵殿の方が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……何とか、怺(こら)えて、もいちど家へ入れて下さらぬか...
吉川英治 「山浦清麿」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??