...僕は一生懸命に怺えていた...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...「何をするんです? もうあんなに謝罪つたんだから怺へてくれたつていゝぢやないか...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...すくなくとも君たちよりは上等だね、と言ってやろうかと思いましたが、怺(こら)えて、ただ苦笑して見せました...
太宰治 「風の便り」
...とうとう怺(こら)えきれなくなって...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...そしてとう/\怺へきれずに...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...おなか (怺(こら)え切れず)あれ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...おぬい (怺(こら)えかねて咽(むせ)び泣く)忠太郎 (紙片を持って...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...金髪娘がじっと欠伸を怺えているのもお構いなしに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...怺(こら)えに、怺えに、怺えて見たが、とうどう怺え切れなくなッて、「して見ると、同じように苦しんでいるかしらん」、はッと云ッても追付かず、こう思うと、急におそろしく気の毒になッて来て、文三は狼狽(あわ)てて後悔をしてしまッた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...凝つと怺えて前の方の葉の落ちきつた痩せた木々が冬らしい白い空にくつきりと伸びてゐる姿を静かに見あげてゐた...
牧野信一 「悪筆」
...僕と君だ! とあたしは疳癪を怺へて神妙にしてゐると――(そんな水臭い話は必要ないでせう)――なんて...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...妹の折檻せらるゝを見るつらさは如何にしても得怺へじ...
正岡子規 「花枕」
...「……お帰りなされませ」精いっぱいの怺(こら)えで言ったのだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...それまでの怺(こら)えだ...
吉川英治 「私本太平記」
...迷惑を怺(こら)えながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...涙が怺(こら)えきれなかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...怺(こら)えていたものを瞼(まぶた)からはふりこぼして...
吉川英治 「親鸞」
...怺(こら)えているんじゃないか...
吉川英治 「松のや露八」
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