...怺(こら)え切れなくなったものか...
海野十三 「雷」
...(これを離しては……)と私は懸命に怺(こら)えたが...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...怺(こら)え怺えていた恐怖が一時に爆発して...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...妙子は「お婆ちゃん」の真似がしたくなるのを怺(こら)えながら云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...佐助は何という意気地なしぞ男の癖(くせ)に些細(ささい)なことに怺(こら)え性(しょう)もなく声を立てて泣く故(ゆえ)にさも仰山(ぎょうさん)らしく聞えお蔭(かげ)で私が叱られた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...其でも幾日雨の涸れた畑の陸穗は日中は怺へ切れずに葉先が萎れてしまふ...
長塚節 「芋掘り」
...頬の火照りをじっと怺(こら)えていて...
原民喜 「忘れがたみ」
...じっと押し怺えながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...無理に押し怺えて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...由ってその由人に洩らすまじと慎んでも怺(こら)え切れず...
南方熊楠 「十二支考」
...その永い間怺えていられたことだけでも...
室生犀星 「津の国人」
...どうか夜半(よわ)までのお怺(こら)えを」「おお急ごう...
吉川英治 「私本太平記」
...「笑いを怺(こら)えるのは体の毒でござる...
吉川英治 「新書太閤記」
...子の介抱にうめきを怺(こら)えている様子だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...怺(こら)えておれ...
吉川英治 「親鸞」
...胃の腑(ふ)から嘔吐(もど)しそうになる酒の悪酔(わるよ)いを怺(こら)えながら...
吉川英治 「松のや露八」
...彼女はもうそういう怺(こら)えはかなぐり捨てた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その嘲笑を怺(こら)えて...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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