...怺(こら)えこらえた鬱憤(うっぷん)をアスファルトの路面に叩(たた)きつけた月田半平(つきだはんぺい)だった...
海野十三 「幸運の黒子」
...遺児カオルは怺(こら)えに怺(こら)えていた悲しみの泪をおさえかね...
海野十三 「蠅男」
...すくなくとも君たちよりは上等だね、と言ってやろうかと思いましたが、怺(こら)えて、ただ苦笑して見せました...
太宰治 「風の便り」
...噴き出したいのを怺(こら)えるのに骨を折りました...
太宰治 「人間失格」
...これが定められた夫であると思うから仕方なく怺(こら)えているものの...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そして怺へる心(物に対して)堪へ忍ぶ心(自他に対して)が強くなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...こみ上げて来る啜り泣きを怺(こら)えることが出来ず...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...怺(こら)えに、怺えに、怺えて見たが、とうどう怺え切れなくなッて、「して見ると、同じように苦しんでいるかしらん」、はッと云ッても追付かず、こう思うと、急におそろしく気の毒になッて来て、文三は狼狽(あわ)てて後悔をしてしまッた...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何うにか此うにかおツ怺(こら)へては經てゝ來た...
三島霜川 「平民の娘」
...持ち怺えているのだった...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...あらん限りの苛責(かしゃく)と無念とを怺(こら)えていた...
吉川英治 「剣難女難」
...無念です」「いかなる怺(こら)えを抱いても...
吉川英治 「私本太平記」
...じっと怺(こら)えて...
吉川英治 「治郎吉格子」
...子の介抱にうめきを怺(こら)えている様子だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...怺(こら)えておりましたが...
吉川英治 「日本名婦伝」
...怺(こら)えてたも...
吉川英治 「源頼朝」
...黙って怺(こら)えていろと仰っしゃる新蔵殿の方が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...どう怺(こら)えても込上(こみあが)って来てしまうらしい微笑を...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??