...「余震がないということはそんなに怪しむことかね」ドレゴがパイプを口からもぎ取って...
海野十三 「地球発狂事件」
...りんごの落ちるを怪しむ人があったので万有引力の方則は宇宙の万物を一つの糸につないだというのは人のよく言う話である...
寺田寅彦 「知と疑い」
...喫茶店(きっさてん)などで見受ける若い男女に活動仕込みの表情姿態を見るのは怪しむまでもないが...
寺田寅彦 「LIBER STUDIORUM」
...『奇跡を見る』のもけっして怪しむに足りないと考えていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...誰も一行を怪しむものはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...陵の怪しむのは、なぜ早く自(みずか)ら生命を絶たないのかという意味であった...
中島敦 「李陵」
...彼は必竟(ひっきょう)何の為に呼吸を敢てして存在するかを怪しむ事さえある...
夏目漱石 「それから」
...何(なん)らの秘密なしと称する人こそ怪しむべきである...
新渡戸稲造 「自警録」
...私が自分で自分を怪しむことであるが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...敬われたるも怪しむに足らず...
南方熊楠 「十二支考」
...近来のナチスの異人種排斥は彼等の野性の極端な発現であるとすれば怪しむべき筋でもなく...
森於菟 「屍体異変」
...この怪しむべきことが何の怪しむべきことでもない...
横光利一 「微笑」
...――謙信、若年(じゃくねん)なるがために、このたびのわが行動を、無謀とも案じるのであろうが、怪しむをやめよ、謙信は決して、軽躁(けいそう)、功をあせっているのではない...
吉川英治 「上杉謙信」
...行方を晦(くら)ましたとて怪しむにあたらない...
吉川英治 「新書太閤記」
...怪しむにも怪しみえない大官と見えたものにちがいない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...誰も怪しむ者はいない...
吉川英治 「平の将門」
...また怪しむべき様子を指摘して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかし小児が名画に対して強い感動を持たなかったからと言ってそれを怪しむ人はない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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