...天運は規則なきがごとくにして規則あり、定まりなきがごとくにして定まりありて、あたかも夏は暑く、冬は寒いと同じき道理でありますから、決して迷うにも、怪しむにも、嘆くにも、悲しむにも及びませぬ...
井上円了 「おばけの正体」
...嬢については怪しむべき節が...
海野十三 「爆薬の花籠」
...怪しむべき個所はまったくなかった...
江戸川乱歩 「影男」
...ヴヱルレーヌはしがき嗤(わら)ふなかれ怪しむなかれ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...どうして今までよく知られていなかったのかと怪しむほどだ...
中村清太郎 「残雪の幻像」
...ゆえに各人が秘密を有すればとて決して怪しむに足らぬ当然なことである...
新渡戸稲造 「自警録」
...桜子はそれを怪しむ気さえもう無くなっていたのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...忠太郎 一両出したとて怪しむな...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...彼は自分の舌を怪しむやうに眼を瞠つてゐたが...
原民喜 「雲雀病院」
...東洋にもこんな異端者が居たのだと怪しむ心であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...人の怪しむ者なしというといえども...
福沢諭吉 「日本男子論」
...怪しむに堪えたり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...種々の点に於ても彼は種々の欠点を見出さるゝなるべしと雖も怪しむ勿(なか)れ...
山路愛山 「明治文学史」
...疑うな、怪しむな、夢でない、本当だぞ」美留女姫はこの時やっと吾(わ)れに帰って、夢から覚めたように思いながら、鸚鵡の言葉を一心に聞いていた...
夢野久作 「白髪小僧」
...私はそんなものを怪しむ間もなく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...怪しむべき政府の真情を暴露する...
横光利一 「上海」
...それではまだ宵に飲んだ酒気から醒めてはいないのだろうかと怪しむのだった...
横光利一 「旅愁」
...が、急に、「おや?」と、怪しむかの如く、一たんは立ちどまった...
吉川英治 「私本太平記」
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