...空模様の怪しい午後であった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...波が怪しい波紋を織り出してゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...これは怪しいぞ」塩田大尉は...
海野十三 「怪塔王」
...下をむいて笑っている怪しい東洋人の顔を眺めて見た...
海野十三 「爆薬の花籠」
...「その怪しい影が初めて危険信号燈の下に立った時に...
ディッケンズ Charles Dickens 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...こいつ怪しい奴だなというので...
豊島与志雄 「月明」
...幻覚が出て来ようとする怪しい時刻だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夜は寝台の上から窓越しに、雲の怪しい影が、どんよりした薄明るい空を過ぎるのが見えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その見つけられた怪しい者は...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうも可怪しいともいえる...
中谷宇吉郎 「科学と国境」
...怪しい普請(ふしん)と見えて根太(ねだ)の鳴る音が手に取るように聞える...
夏目漱石 「虞美人草」
...お徳が怪しいと言うのか」「そんなつもりで申したのじゃございません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その切株のような妙な恰好(かっこう)をした舞踏靴だけでも少なからず怪しいと思われた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...君だつたの?」「おわかりになりませんでしたこと?」海水着がどうも怪しい...
堀辰雄 「麥藁帽子」
...すこぶる怪しい話だがとにかく三河に昔犬頭という好糸を産し...
南方熊楠 「十二支考」
...怪しいと見て急いで引返して來てしまつたらしい...
三好十郎 「肌の匂い」
...そしてたちまち先へ行く怪しい一艘を認めることができた...
吉川英治 「三国志」
...どう分宿しても、夜営しても、収まりきれないほどだったろうし、夜は、酒や女を漁る将兵の影が、うす暗い、しかし、俄に激増した人家の灯を、あちこち覗き歩いて、夜もすがら、怪しい嬌笑や、悲鳴に似た悪ふざけや、酔っぱらいの濁(だ)み歌などが、寒さも知らずに沸いていたかと思われる...
吉川英治 「平の将門」
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