...性来(うまれえて)義気深き牛なりければ...
巌谷小波 「こがね丸」
...性来珍らし物好きであったから画名を売るよりは博覧会が珍らしかったのである...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...その性来女嫌いの諸戸道雄が...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...性来(うまれつき)歯が達者なので...
薄田泣菫 「茶話」
...加うるに性来の図々(ずうずう)しさを以(もっ)て...
太宰治 「虚構の春」
...など、多少、いやしく調子づいたおしゃべりはじめて、千里の馬、とどまるところなき言葉の洪水、性来、富者万燈の御祭礼好む軽薄の者、とし甲斐(がい)もなく、夕食の茶碗、塗箸もて叩いて、われとわが饒舌に、ま、狸(たぬき)ばやしとでも言おうか、えたい知れぬチャンチャンの音添えて、異様のはしゃぎかた、いいことないぞ、と流石(さすが)に不安、すこしずつ手綱引きしめて、と思いいたった、とたんにわが家の他人、「てれかくしたくさん...
太宰治 「創生記」
...もつとも私は性来感傷的だから...
種田山頭火 「其中日記」
...例えば曰く「性来個人意識の強い民俗の中には同等主義・民主主義の社会組織が発達し...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...性来頑健は彼は死ぬ二三年前迄は恐ろしく威勢がよかった...
長塚節 「太十と其犬」
...然し性来の子煩悩と見えて能く生徒の世話をするといふので父兄とは懇意にして居た...
長塚節 「隣室の客」
...性来(しょうらい)構わない性分だから...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...性来壮健(そうけん)なりとはいえ...
野中到 「寒中滞岳記」
...性来(せいらい)をとなしきを友達いぶせく思ひて...
樋口一葉 「たけくらべ」
...性来エゴイストである私が...
牧野信一 「環魚洞風景」
...農業者がその性来の怠惰心を克服し...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...母は性来余り動物好きではなかったし...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...自分の器官が性来従順であることを知っている者は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...蕎麦だけは性来生粉が作りやすく...
柳田国男 「木綿以前の事」
便利!手書き漢字入力検索