...月給を貰つた為に怡々(いそいそ)して早く帰るなどと...
石川啄木 「足跡」
...もう怡(いそ)々した心地になつた...
石川啄木 「鳥影」
...彼女は怡々(いい)として...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...小禽(ことり)が怡(うれ)しげな声をたてて啼(な)いていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...その二十二貫小山のごとき体格と常に怡然(いぜん)たる神色とは洶々(きょうきょう)たる三軍の心をも安からしむべし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...懶(ものう)く怡(たの)しく何の悔も無く...
中島敦 「環礁」
...この世にかくも多くの怡(たの)しきことがあり...
中島敦 「悟浄歎異」
...そこはかとなき欣怡の情である...
中原中也 「感情喪失時代」
...従つて即興的であるよりも構成を怡しむ習性を一層持つてゐる...
中原中也 「詩と其の伝統」
...其処にこそ現実があり欣怡のあることに想到されるやう...
中原中也 「詩に関する話」
...曇りなき怡((よろこ))びはなく...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...怡々(いい)たる春光(しゅんこう)の裏(うち)に浮遊している...
夏目漱石 「草枕」
...このウバ桜は怡顔斎(いがんさい)の『桜品(おうひん)』では婆彼岸と別のものになっていれど...
牧野富太郎 「植物記」
...あたかも乾闥婆部の妻女が貴人に召さるるを名誉と心得て同然に怡(よろこ)んだので...
南方熊楠 「十二支考」
...誰かこれを怡(よろこ)ばん...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...額に冷めたく切れる眉の根を怡(たの)しみ...
三好達治 「測量船拾遺」
...菽水想怡々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...唐津、名護屋(なごや)、怡土(いと)城、太宰府、水城(みずき)、宇美(うみ)、筥崎(はこざき)、多々羅(たたら)、宗像(むなかた)、葦屋、志賀島(しかのしま)、残島(のこのしま)、玄海島、日本海海戦の沖の島なんて見ろ、屈辱外交の旧跡なんて薬にしたくもないから豪気だろう...
夢野久作 「近世快人伝」
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