...自分が悠々たる追憶の怡楽(いらく)の中から...
石川啄木 「葬列」
...怡然(たいぜん)として心に安(やすん)じ宇宙に存在する霊気をして我の身体を平常体に復さしむるにあり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...彼女は怡々(いい)として...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...按(あん)ずるに視覚を失った相愛の男女が触覚(しょっかく)の世界を楽しむ程度は到底われ等(ら)の想像を許さぬものがあろうさすれば佐助が献身(けんしん)的に春琴に仕(つか)え春琴がまた怡々(いい)としてその奉仕を求め互(たがい)に倦(う)むことを知らなかったのも訝(あや)しむに足りない...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...怡雲和尚(温泉開基...
種田山頭火 「行乞記」
...定省(ていせい)怡々(いい)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...なお師父(しふ)は怡(たの)しげに生を肯(うべな)われる...
中島敦 「悟浄歎異」
...穏やかな老人の言葉と怡々(いい)たるその容に接している中に...
中島敦 「弟子」
...従つて即興的であるよりも構成を怡しむ習性を一層持つてゐる...
中原中也 「詩と其の伝統」
...其処にこそ現実があり欣怡のあることに想到されるやう...
中原中也 「詩に関する話」
...その理念を対者に怡しますものである...
中原中也 「新短歌に就いて」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...懺悔もし竟(おわ)ればすなわち怡悦(いえつ)す〉...
南方熊楠 「十二支考」
...内心怡悦の壻がいと鹿爪らしく嫁の覆面を除く...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...目下頗る心を怡(たのし)ましむるに足る情人を我所有としてゐる...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...筑前糸島郡怡土(いと)村大字川原(かわばる)には...
柳田國男 「地名の研究」
...眼を怡(よろこ)ばしめなかった人はなかったろう...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...臼杵にも大きい禅寺を建てて大徳寺の怡雲を招いたのみならず...
和辻哲郎 「鎖国」
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