...自分が悠々たる追憶の怡樂(いつらく)の中から...
石川啄木 「葬列」
...静子は吉野に会釈して怡々(いそいそ)下女の後から出て行く...
石川啄木 「鳥影」
...十分彼を怡(たの)しませるに違いないという...
徳田秋声 「仮装人物」
...その二十二貫小山のごとき体格と常に怡然(いぜん)たる神色とは洶々(きょうきょう)たる三軍の心をも安からしむべし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...」などと書きちらして怡んでいる...
豊島与志雄 「失策記」
...伊都を筑前の怡土とし...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...この世にかくも多くの怡(たの)しきことがあり...
中島敦 「悟浄歎異」
...言なくして唯怡然たり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...個にして全てなる無意識に持続する欣怡の情が彼にはあり得ぬ...
中原中也 「河上に呈する詩論」
...そして沢山の人々が眼に怡びを湛へ...
原民喜 「絵にそへて」
...反ッてお婿さんが極(きま)って怡々(いそいそ)しているようだった...
二葉亭四迷 「平凡」
...あたかも乾闥婆部の妻女が貴人に召さるるを名誉と心得て同然に怡(よろこ)んだので...
南方熊楠 「十二支考」
...内心怡悦の壻がいと鹿爪らしく嫁の覆面を除く...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...額に冷めたく切れる眉の根を怡(たの)しみ...
三好達治 「測量船拾遺」
...この人工の小自然は疲れて怡しさを喪つた人の心を絶えまなく水盤に落ちるそれの言葉で誘つてゐる...
三好達治 「測量船拾遺」
...筑前糸島郡怡土(いと)村大字高来寺にもまた寺址説がある...
柳田國男 「地名の研究」
...眼を怡(よろこ)ばしめなかった人はなかったろう...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「春光怡々(いい)たるこの閑かな日に...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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