...いゝ加減に怠惰な日を送つてゐた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...人間もこの規則に漏れず、体質のすぐれた者、勤勉なる者、運のよき者が、体質の劣った者、怠惰なる者、運の悪き者に比していっそう多くの財産を蓄積し使用すべきはもとより理の当然で、万人が万人ことごとく財産を平等にするというごときは、とうていできぬことである...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...学徒においては肉欲は心の怠惰な習慣である...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あまり怠惰な学生と見られても工合が悪いので...
太宰治 「惜別」
...彼の怠惰な性質は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...観照的生活は怠惰な生活ではないと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人生の怠惰な享楽を事とするようになってしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怠業やいい加減の仕事や主義にまでもち上げられた怠惰などこそ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無為怠惰な成金の次男坊で...
豊島与志雄 「常識」
...だから、歴史小説を書かんとする大衆作家は、専門史家と同等の、或は以上の専門的知識、換言すると、当時の時代思潮、現在と異っている当時の地理的事実、風俗、習慣、言語、服装、食いもの飲みものの細末に到るまでの考証的知識が必要となるのであって、現在の怠惰な、安佚(あんいつ)な大衆文芸家と云って悪ければ、自然主義以後の日本の各作家、と云っても悪ければ、日本伝来の文人気質、云い換えれば学究的研究を軽蔑する文学者諸氏にはとても堪え切れない努力が要求される訳である...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...ああなんといふ幻覺だらうとりとめもない怠惰な日和が さびしい涙をながしてゐる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...私をこの怠惰な確信に限定させる...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...怠惰な愛を思わせた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...此頃のやうな怠惰な鬱屈の影はなかつた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...怠惰なものは生存し得ず勤勉と努力に対してのみ報いが与えられるということは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...シベリア平原の怠惰な住民にこれほど適当した穀作はないと云われているが3)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...怠惰な片手に引摺られて張った乳...
横光利一 「上海」
...またはかげらふ正午(まひる)の陽光(ひかり)を浴びつゝ怠惰な安易を貪つてゐるのではないだらうか...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??