...倉地は何か思案するらしくそっぽを見い見い耳を傾けていたが...
有島武郎 「或る女」
...四一階子段(はしごだん)の上がり口には愛子が姉を呼びに行こうか行くまいかと思案するらしく立っていた...
有島武郎 「或る女」
...その時友人のお母さんも発句を作るといって思案するような顔をしていられましたが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そう思案すると、「ああ、行ってもいい」これから二人はややしばらく気の置けない雑談に時を過しながら点燈(ひともし)ごろから蠣殻町に出かけていった...
近松秋江 「うつり香」
...すると女主人も思案するような顔をして...
近松秋江 「霜凍る宵」
...そうして何か思案することありげに廊下を渡って...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこへ行こうと言って思案するよりは……」「何の目的で...
中里介山 「大菩薩峠」
...前後を思案するような気配がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしたものだろうかと思案する様子に見えた...
夏目漱石 「行人」
...まあ……」細君は津田を前に置いてお延の様子を形容する言葉を思案するらしかった...
夏目漱石 「明暗」
...何を忘れたんだい」お延は思案するらしい様子をした...
夏目漱石 「明暗」
...戸口のところで思案する...
新美南吉 「病む子の祭」
...思案するひまも何もなく合金のようにかたく結合されてしまったわけなんです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...思案するという次第です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...老人は別段に思案する様子もなく承諾して...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...ファウスト立ち止まりて思案すること暫くにして...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一拳を空に挙げるだけでもむだではないと思う」「するとお国許とは別行動でございますか」「そこは折衝の上だ」大助は思案するようにちょっと黙った...
山本周五郎 「新潮記」
...水墨の絵から何か一つ選ばうと思案する間もなく...
吉野秀雄 「長谷川等伯の「松林図屏風」」
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