...そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと思わしいころに...
有島武郎 「或る女」
...さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが思わしい所もありませんので...
有島武郎 「燕と王子」
...思わしい口がないうえに小遣銭(こづかいせん)もなくなったので...
田中貢太郎 「女の怪異」
...どうも思わしい仕官の口がないから...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...どうも思わしいところがなく...
近松秋江 「黒髪」
...そこで思わしいことがなくて...
徳田秋声 「あらくれ」
...思わしい就職口もなくて困っているので...
豊島与志雄 「未亡人」
...そこでも思わしいものを発見し得なかったと覚しく...
中里介山 「大菩薩峠」
...実はあれからいろいろ探したがどうも思わしいところがないんでね...
夏目漱石 「坑夫」
...傍聴(ぼうちょう)者の一人で職工と思わしい若い男が...
新渡戸稲造 「自警録」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仲々思わしい仕事もないのであろう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...物思わしい気取ったうぬぼれた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...大臣はじっと空間をながめて物思わしいふうをしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...西の対に帰った源氏はすぐにも寝室へはいらずに物思わしいふうで庭をながめながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...物思わしいふうは他からもうかがわれて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのほかにこれと思わしい物はなにもなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...それは連絡をとっている松山藩の老職から思わしい知らせがなく...
山本周五郎 「日本婦道記」
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