...その代わりにそこには悩ましく物思わしい張りを加えていた...
有島武郎 「或る女」
...不思議な感激――それは血のつながりからのみ来ると思わしい熱い...
有島武郎 「親子」
...それと思わしい方に母恋しさの手を延ばしてすがり寄った...
有島武郎 「星座」
...最後と思わしい激しい陣痛が起った...
有島武郎 「小さき者へ」
...さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが思わしい所もありませんので...
有島武郎 「燕と王子」
...思わしい口がないうえに小遣銭(こづかいせん)もなくなったので...
田中貢太郎 「女の怪異」
...思わしい事もないので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...――私の思わしい就職口もなかなか見つからないだろうということ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...その日その日に忘られて行くわけもない物思わしい心持が...
永井荷風 「雪の日」
...これはと思わしい相手が思いつかない...
中里介山 「大菩薩峠」
...傍聴(ぼうちょう)者の一人で職工と思わしい若い男が...
新渡戸稲造 「自警録」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...所がたんと思わしいお土産もありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そのほかにこれと思わしい物はなにもなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...思わしいものはなかった...
山本周五郎 「末っ子」
...とうとう今日まで思わしい縁がありませんでした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それぞれ思わしい方面へできるだけ顔出しをするように努めたのであるが...
山本周五郎 「百足ちがい」
...常に物思わしいふうが見える...
吉川英治 「三国志」
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