...その代わりにそこには悩ましく物思わしい張りを加えていた...
有島武郎 「或る女」
...不思議な感激――それは血のつながりからのみ来ると思わしい熱い...
有島武郎 「親子」
...それと思わしい方に顔を向けて清逸はいってみた...
有島武郎 「星座」
...最後と思わしい激しい陣痛が起った...
有島武郎 「小さき者へ」
...さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが思わしい所もありませんので...
有島武郎 「燕と王子」
...此十日余思わしい日の目も見ず...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あまり思わしいものでなく...
豊島与志雄 「旅だち」
...思わしい就職口もなくて困っているので...
豊島与志雄 「未亡人」
...――私の思わしい就職口もなかなか見つからないだろうということ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...その日その日に忘られて行くわけもない物思わしい心持が...
永井荷風 「雪の日」
...実はあれからいろいろ探したがどうも思わしいところがないんでね...
夏目漱石 「坑夫」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仲々思わしい仕事もないのであろう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...物思わしい気取ったうぬぼれた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...所がたんと思わしいお土産もありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そのほかにこれと思わしい物はなにもなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...それは連絡をとっている松山藩の老職から思わしい知らせがなく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...父の生前に思わしい孝行を尽し得なかった...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
便利!手書き漢字入力検索