...そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと思わしいころに...
有島武郎 「或る女」
...そして倉地が忍ばねばならぬ屈辱を埋め合わせるために葉子は倉地が欲すると思わしい激しい情欲を提供しようとしたのだ...
有島武郎 「或る女」
...最後と思わしい激しい陣痛が起った...
有島武郎 「小さき者へ」
...さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが思わしい所もありませんので...
有島武郎 「燕と王子」
...やっぱり思わしい結果は得られませんでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...こんなところでいつ迄荒物屋渡世(とせい)をしていても思わしい訳はないのだけれど...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...思わしい合理的な論拠は見当らない...
戸坂潤 「社会時評」
...そのうちだんだんに物思わしい氣分に沈むようになり...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...あまり思わしいものでなく...
豊島与志雄 「旅だち」
...変装用の思わしい古着が見つからなかったものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ある穏かな物思わしい気分にひたり切っていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...田舎では思わしいこともないらしくて未だにああやって居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そのほかにこれと思わしい物はなにもなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...とうとう今日まで思わしい縁がありませんでした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それは連絡をとっている松山藩の老職から思わしい知らせがなく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それぞれ思わしい方面へできるだけ顔出しをするように努めたのであるが...
山本周五郎 「百足ちがい」
...常に物思わしいふうが見える...
吉川英治 「三国志」
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