...そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと思わしいころに...
有島武郎 「或る女」
...なかなか思わしい報告が入って来ない...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...どうも思わしい仕官の口がないから...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...健たちのお父さんがずっと長いあいだ思わしい仕事がなくて...
壺井栄 「大根の葉」
...そこで思わしいことがなくて...
徳田秋声 「あらくれ」
...思わしい事もないので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...――私の思わしい就職口もなかなか見つからないだろうということ...
豊島与志雄 「紫の壜」
...変装用の思わしい古着が見つからなかったものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...実はあれからいろいろ探したがどうも思わしいところがないんでね...
夏目漱石 「坑夫」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仲々思わしい仕事もないのであろう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...物思わしい気取ったうぬぼれた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...物思わしいふうは他からもうかがわれて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...所がたんと思わしいお土産もありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...そのほかにこれと思わしい物はなにもなかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...これと思わしい物を手に取ってみたが...
山本周五郎 「季節のない街」
...思わしいものはなかった...
山本周五郎 「末っ子」
...父の生前に思わしい孝行を尽し得なかった...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
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