...そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと思わしいころに...
有島武郎 「或る女」
...ほうほうと間遠(まどお)に単調に同じ木の枝と思わしい所から聞こえていた...
有島武郎 「或る女」
...そう思わしい人人が弁当の包みを小脇に抱えて...
有島武郎 「星座」
...なかなか思わしい報告が入って来ない...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...どうも思わしい仕官の口がないから...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...国籍や人種の問題が邪魔になって思わしい口が得られなかった...
寺田寅彦 「アインシュタイン」
...思わしい事もないので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そのうちだんだんに物思わしい氣分に沈むようになり...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...思わしい就職口もなくて困っているので...
豊島与志雄 「未亡人」
...変装用の思わしい古着が見つからなかったものらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...実はあれからいろいろ探したがどうも思わしいところがないんでね...
夏目漱石 「坑夫」
...思わしいのは無い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大臣はじっと空間をながめて物思わしいふうをしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...姫君は返辞もせず物思わしいふうをしている...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...所がたんと思わしいお土産もありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それは連絡をとっている松山藩の老職から思わしい知らせがなく...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それぞれ思わしい方面へできるだけ顔出しをするように努めたのであるが...
山本周五郎 「百足ちがい」
...父の生前に思わしい孝行を尽し得なかった...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
便利!手書き漢字入力検索