...思わく違いに当惑(まごつ)いた...
有島武郎 「かんかん虫」
...哈爾賓へ行って何をした?縦令(たとい)聊かにもせよ旅費まで出して呼ぶからには必ず何かの思わくが徳永にあったに違いない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...この世間の思わく一つによることなんだが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...その人の遺(わす)れ形見であるところの娘の思わく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一種の思わくから黙って見せるという技巧(ぎこう)を弄(ろう)したら...
夏目漱石 「行人」
...または追手(おって)の思わくとは反対の方角へ走る汽車の時間に間に合うように...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...従って青年の答には彼の思わくと多少喰(く)い違った点があった...
夏目漱石 「道草」
...そう人の思わく通り急には動かない積(つも)りである...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』中篇自序」
...人民の思わくを顧慮して容易に手をつけることをしなかった...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...養父の病気中には傍(はた)の思わくもあれば...
三宅花圃 「藪の鶯」
...ドミトリーが傍の思わくもかまわず止めた...
宮本百合子 「「インガ」」
...もとの家柄が家柄だから世間の思わくだってやはり違う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分が他人の思わくの中でどんなであるかをあまり気にしないくせに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これは世間の思わくを気にする家々の...
柳田国男 「故郷七十年」
...人の思わく、世の口(くち)の端(は)などは、生きている上のことだ」「いや、黙って死ねばいいと思う...
吉川英治 「新書太閤記」
...軽々たる世上の思わくや面子(メンツ)にとらわれて...
吉川英治 「新書太閤記」
...第一に思わくと喰い違った...
吉川英治 「日本名婦伝」
...世間の思わくの前に苦しんでいるのであって...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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