...大井は俊助の思わくなぞにはさらに頓着しない容子(ようす)で...
芥川龍之介 「路上」
...別に腹をこわしているわけでもなく外(ほか)に思わくがあったのだった...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...二十七妙子が端(はた)の迷惑や人の思わくも構わないで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は本家の思わくを考えて同行することにしただけなので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかしそれにはその姉のきさいの宮の思わくもあることだし...
田山花袋 「道綱の母」
...全く相手の思わく一つできまる...
夏目漱石 「坑夫」
...かくして、相互の思わくは、相互の間の秘密として葬(ほうむ)られてしまった...
夏目漱石 「それから」
...または追手(おって)の思わくとは反対の方角へ走る汽車の時間に間に合うように...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その思わく通りどこの何という家(うち)の門(かど)へおろすようにしろと云いつけた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そうしてお延の思わく通り向うから訊(き)き返して来た...
夏目漱石 「明暗」
...そう貴様の思わく通りにさせてたまるものか」彼は傷(きずつ)けられた自分のプライドに対しても...
夏目漱石 「明暗」
...馭者はちょっとたってから思わくどおりきいてきた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...養父の病気中には傍(はた)の思わくもあれば...
三宅花圃 「藪の鶯」
...お金の思わくを察して...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...源氏はもうだれの思わくもはばかる気がなくなって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かれらの思わくの中にはいった自分が可笑(おか)しくてならなかった...
室生犀星 「花桐」
...漸(ようや)く馴れては傍人(ぼうじん)の思わくをも顧みぬようになった...
森鴎外 「細木香以」
...諸民の思わくがどうであろうか...
吉川英治 「私本太平記」
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