...思えるがゆえに、その仕打ちのわれながらむしろ果断に過ぐるを思わざるにあらざりしも、なお家のため武男のためと謂(い)いつつ、独断をもて浪子を離別せるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼にとっては一つの誇りであるとさえ思える...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...自分ながらばかばかしく思えるにもかかわらず涙を浮かべまでした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ジョルジュはごく遠くから来るように思えるクリストフの眼をながめた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...気紛れなものに思えるのだ...
豊島与志雄 「春盲」
...随分変な先生を撰(えら)んでくれたものだとも思えるが...
中谷宇吉郎 「九谷焼」
...わたしと別れてからもいゝ生活ではなかつたように思える...
林芙美子 「淪落」
...まるですべてを失ったように思えるんだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...彼は自分が上手くやったなと思えるのね...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そして無意識の裡(うち)にそれらを記憶(きおく)していたのではないかと思えるくらい...
堀辰雄 「美しい村」
...日本の観衆にとって大したことなく思えるこの作品も...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...同氏をますます精神家にさせているように思える...
柳宗悦 「全羅紀行」
...そう祈るが如く私には思える...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...価値が決定されると思えるのです...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...加波山と思える山塊が眺められた...
山本周五郎 「風流太平記」
...人知れず殺すかどうかしたらしい……と思える節(ふし)がないでもないが...
夢野久作 「鉄鎚」
...ちょっと見たところ西洋人のように思えるが...
夢野久作 「暗黒公使」
...この世へ試みに送り出した者かと思えるほど整っている...
吉川英治 「剣難女難」
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