...僕はいつでもそうであるが、思い立つと、一刻も早くその用事をすましてしまわなければ気がすまぬのである...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...人が帰れと言う時にはなかなか戻って来んで思い立つとまた慌(あわただ)しい帰り方をして来たものだな」私は兄の顔を眺めていたが...
橘外男 「逗子物語」
...かの一大事は心の細かい人でなければ思い立つことは叶いませぬ...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...彼はノーフォーク州の広沢(ブロード)地方に住むその名士を突然訪問しようと思い立つに至った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...来てくれない限りはあるまい……そう思い立つと...
中里介山 「大菩薩峠」
...そう思い立つと、駒井は一日も早く出帆するに越したことはないという気分に迫られ、乗組一同もまた、喜んで出帆の一日も早からんことをせがんでいるくらいです...
中里介山 「大菩薩峠」
...そう思い立つと、お角さんとして愚図愚図することはできないから、もう明朝にも上方へ向けて出かけようじゃないか、それには自分たちの方は、あと言えばさだが、お銀様へ御都合を伺っておかなければならぬと、お角さんはともをつれて、本町の近江屋という宿へお銀様を訪れたのはその晩です...
中里介山 「大菩薩峠」
...影ならずば?――時にはむらむらと起る一念に窓際に馳(か)けよりて思うさま鏡の外(ほか)なる世を見んと思い立つ事もある...
夏目漱石 「薤露行」
...思い立つともう階下(した)へ降りて...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...行ってみましょう」八五郎は思い立つと躊躇しませんでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思い立つ日が吉日であった...
本庄陸男 「石狩川」
...「帰ろう」思い立つや否や...
松濤明 「春の遠山入り」
...ヨーロッパやアメリカの国が何か思い立つ度に日本は...
森本薫 「女の一生」
...新たな採訪を思い立つためにも...
柳田国男 「海上の道」
...(やろう!)と思い立つことも...
吉川英治 「新書太閤記」
...またかかることも思い立つまい」「さ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そう思い立つと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...どうですな」「行こう」思い立つと...
吉川英治 「無宿人国記」
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