...思い思いに椅子に掛けたり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...幽霊のようにこそこそと思い思いの方向を森のなかへ引きこむのであった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...こんなばあいに酒の一合でも飲めると脹(ふくら)みのある食事ができるだろうと思い思い箸を動かした...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...思い思いに輪を作って小さな宴会が始まっていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...思い思いの徽章(きしょう)を胸に...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...みんな思い思いに散って行って...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...変だなと思い思い...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...見物と弥次とは思い思い...
中里介山 「大菩薩峠」
...睡蓮(すいれん)の花のようだとよく思い思いした美しい俤(おもかげ)は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...丘陵の思い思いのところに石灰を塗った方形の僧房が建っていた...
久生十蘭 「新西遊記」
...思い思いに帰って行った...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...やがてそれが思い思いの形に折れた...
正岡容 「小説 圓朝」
...私の前に来て思い思いにうなだれた...
夢野久作 「暗黒公使」
...私はそう思い思い何秒か……もしくは何分間か...
夢野久作 「ビルディング」
...夜来の行軍のつかれもあり、陽もうらうらと朝を告げて、全軍、ようやく飢(ひ)もじさを覚えていたので、潜行軍の最後方の――この秀次隊は、「止まれ――」を令し、「兵糧をとけ」と命じて、将は将と、兵は兵と、思い思い、脚を休めながら、朝飯にかかっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...人、思い思い、その選ぶがままに極めるしかない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...思い思い別れの言葉を残して戻ってゆく...
吉川英治 「親鸞」
...武蔵」「醜(きたな)し!」「背を見せる法やあるっ」思い思いに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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