...そう思い思い布の一方を手早く縫い終わって...
有島武郎 「或る女」
...思い思いの感想がわきあがっていた...
海野十三 「超人間X号」
...外の一同も思い思いの椅子を選んで腰をおろした...
江戸川乱歩 「悪霊」
...思い思いに身の境涯をふりかえる様子であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そう思い思い苦しい世帯のなかを...
徳田秋声 「黴」
...二人は思い思いの飲みものを取って...
徳田秋声 「縮図」
...二十二この細い石段を思い思いの服装(なり)をした六人が前後してぞろぞろ登る姿は...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...そう思い思いしたが...
久生十蘭 「あなたも私も」
...村の子供達は赤や青の思い思いの衣服を着飾り...
三浦環 「お蝶夫人」
...お母さんおかえりのとき入れた藤の花のこと伺おうと思い思い...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それぞれ思い思いにちがった問題を論じていながら...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...……ああ早く退院したい……外の空気を吸いたい……と思い思い眼をつぶると...
夢野久作 「一足お先に」
...また思い思いな得物(えもの)を把って...
吉川英治 「黒田如水」
...みな思い思いの地方に逃亡してしまったものである...
吉川英治 「黒田如水」
...香椎からすぐ南の丘陵帯(きゅうりょうたい)へ思い思い駈けのぼって...
吉川英治 「私本太平記」
...思い思いな声をもらしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...町中の宿舎に思い思いに泊っていた面々には――野々村三十郎...
吉川英治 「新書太閤記」
...「ぜひ、最後までは、御供(おんとも)を」と、それは、ここにいる者のすべての希(ねが)いだったが、頼朝も、他日を期して別れてくれと云い渡したので、人々は、やがて散々(ちりぢり)に、思い思いに、落ちて行くしかなかった...
吉川英治 「源頼朝」
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