...「今に時が来たら話すだろう」と思い思い過ごした...
伊藤野枝 「出奔」
...思い思いの方向に歩きまわっている...
海野十三 「火星兵団」
...思い思いに前後左右を見廻して...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...ちょうど沖から帰って来た漁師が思い思いに海岸へ魚の盛りをこしらえて...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...子供は子供の見方をするように人々はまた思い思いの見方をしているであろう...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...見物は思い思いに散って行った...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...贅沢の限りを尽した思い思いの椅子が...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そう思い思いしたが...
久生十蘭 「あなたも私も」
...何事が始まるのかといった顔付で思い思いのところへ控えている...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...当時の中学では制服や制帽は有名無実で、大抵はカスリや田舎縞(いなかじま)の着物に小倉の袴、帽子も思い思い、朴歯(ほおば)の下駄や竹の皮の安草履を突っ掛け、汚れた風呂敷へ教科書や弁当箱を包んで、首っ玉へ巻き付け、乗物がないから一里二里の遠方からも毎日てくで往復、雨天など誰も彼も背中までハネを上げて教場の机も腰掛けも泥だらけ、足に修業が積んでいるので別段苦にもせず平気で通学、たまたま人力車で登校する坊ちゃんがあると、ヤーイ意気地なしとわいわい囃(はや)す...
山本笑月 「明治世相百話」
...思い思いに陣取って...
山本笑月 「明治世相百話」
...習った通りに稽古したつもりだが」……と不思議に思い思いしたという...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...どんなに叱られるかと思い思い楽屋へ這入ると...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それを取りに帰って来たようにも思うのだが……と思い思いソロソロと頭を上げて前後左右を見まわして見ると...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そのほかの将卒もみな思い思いに分散した...
吉川英治 「新書太閤記」
...思い思いの場所を選び...
吉川英治 「新書太閤記」
...思い思いに立つ者があった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...武蔵」「醜(きたな)し!」「背を見せる法やあるっ」思い思いに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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