...「わたしもう一度あのまっただなかに乗り出してみたい」「してどうするのだい」倉地もさすが長かった海の上の生活を遠く思いやるような顔をしながらいった...
有島武郎 「或る女」
...さしもの高楼ももんどり打って地上にくずれてしまうと思いやると...
有島武郎 「或る女」
...そして他人の感情を思いやることが遙に深いと敢ていう...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...その生涯をやがて終らすべき斧の一撃のことを思いやる時...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...お松を思いやる心が痛切になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その一人の男の姿が見えなくなると、御自分が提灯をさげて探しに出て行かねばならないような、今の御有様は、思いやると、おいとしいような心持に堪えられない...
中里介山 「大菩薩峠」
...乗らぬ内からかくのごとく処置に窮するところをもって見れば乗った後の事は思いやるだに涙の種と知られける...
夏目漱石 「自転車日記」
...「何て思いやるがあるんでしょう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...今は切実に思いやることが出来ます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私はなかなか立体的に思いやるのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どこかそこを通っている好ちゃんの上を思いやるという次第でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...個人的にむくわれなければむくわれたと思えなかった人の気持(しかも万人のためにと働きつつ)を思いやることが出来るようになりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あの山道を通るいろいろの動きをまざまざと思いやると尽きぬ感興があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...橋姫の一人臥(ひとりね)の袖(そで)を自分だけの思いやるものとしていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...太(いと)う武芸に長(た)けておじゃるから思いやるも女々しけれど……心にかかるは先ほどの人々の浮評(うわさ)よ...
山田美妙 「武蔵野」
...ああどうなるのだろう?」世の行く末を思いやると...
吉川英治 「三国志」
...ひと身を思いやるほうが辛い...
吉川英治 「新書太閤記」
...ふと中国の空でも遠く思いやるか...
吉川英治 「新書太閤記」
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