...そなたにそれほどの思いやりがあって来てくれたのだとは知らなんだ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...庸三は若い記者の思いやりを...
徳田秋声 「仮装人物」
...思いやりのふかいうちに門閥とか家とかいう観念の強さが見え...
徳田秋声 「縮図」
...思いやりも深そうな人柄な女であった...
徳田秋声 「縮図」
...人生の弱点にたいしては思いやりのない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...思いやりのある平次が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なかなか思いやりがおありで...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...気がさものばかりが知るわびしさと嘆きを思いやり...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...菜穂子は別にそう気を揉(も)みもしないで思いやりながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...あんまり思いやりのない言葉――一たい乳母は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大変思いやりのこもっている温い心持で見ていて下すってありがとう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...広く思いやりのある姫宮の御補佐としては役だちませんでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こちらへ拝見に来ればいいではないか」「思いやりのないことを仰せになります...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宮はあまりに思いやりのない心であると恨めしく思召されて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もともと思いやりぶかいたちでしたので...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話」
...」これほど深い思いやりの籠った優美な言葉をいうものが...
横光利一 「旅愁」
...内蔵助の気持を思いやりながら茶を酌(く)んで運んで行く家人にも...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...誰が、そのような手にたぶらかされようぞ)と、相手にする者もなかったが、やがて半年経ち、一年経っても、彼の母につくす様子に少しも怠りがみえないのみか、世間の人々に対しても、思いやり深く、老幼にやさしく、身は奢(おご)らず、人には施(ほどこ)すという風なので、(はてな?)と、人々の視る眼がようやくちがってきたところへ、その老母が病んで逝去(みまか)ると、生信房のなげきは傍目(はため)にも痛々しいほどで、幾日も食を断って、母の墓掃(はかはき)に余念なく暮している様子を見、(いよいよ本ものだ)と、彼の今日(こんにち)を、世間で認めてきたのであった...
吉川英治 「親鸞」
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