...その怜(さ)かしいのがいやだった...
有島武郎 「或る女」
...察する程に怜悧(かしこ)いお定ではないので...
石川啄木 「天鵞絨」
...それに清六があまり怜悧(りこう)でなく丹精でもない...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...一体我輩のところへはあまり怜悧なものは来ぬ...
大隈重信 「我輩の智識吸収法」
...三十歳を越したばかりの小柄で怜悧(れいり)な女主人が経営しているのだ...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...」「比較的真正直な怜悧な……いや何だかよく分りません...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...怜悧(れいり)なやさしい眼つきをし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は怜悧(れいり)で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怜悧な者の飼ってる猫と同じ眼つきではない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怜俐(れいり)な津田の見逃(みのが)すところでなかった...
夏目漱石 「明暗」
...延子さんはああいう怜俐(りこう)な方(かた)だから...
夏目漱石 「明暗」
...財産を誇ることを知らず、物惜しみをせず、器用で、十分怜悧で、華(はな)やかで、快活で、輕卒で、つまり彼女は私みたいな同性の冷淡な傍觀者にさへ、非常に魅力があつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...自己を守る堅さが何かの場合に見える怜悧(れいり)なたちなのですよ」と院がお言いになると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」ところがまた一匹の鯉のような怜(さか)しげな尾とひれをもった魚が...
室生犀星 「寂しき魚」
...その面上には怜(あわれ)むべき苦笑の影浮べり...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「辻馬車」
...怜悧(れいり)なることは慥(たし)かに候...
森鴎外 「独身」
...怜悧そのものともいうべき性格の持主であったかという事実も首肯(うなず)かれる訳で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...怜悧(れいり)なお綱は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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