...此知慧を警護して蛇の如く怜しく外界との調和を計るは今一つの知慧である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...負傷せる蟻の――怜悧にして敏捷なる蟻の――あのもがきやうはどうだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...機織婦人(はたおるをんな)たちの怜悧(かしこく)なりたる故(ゆゑ)ぞかし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...嫂に怜悧に甘えて...
太宰治 「津軽」
...私共があまり照を重く見るので或人々から『いくら怜悧でもまだ世の中の經驗も淺い若い娘を……』と笑はれた事もございましたが...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...怜悧(れいり)そうな美しい眼...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして相当に怜悧(れいり)で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もちろんアントアネットは怜悧(れいり)だったから...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...怜悧(れいり)であって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「お前さん大変怜悧(りこう)だってね...
豊島与志雄 「少年の死」
...怜悧(りこう)なお延は弱らせられた...
夏目漱石 「明暗」
...みんながトリユックの怜悧さうな顔を映したいといふので……アンネットさんはやさしく媚びるやうに笑つて是をすかさんと試み...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...狡猾(こうかつ)・怜悧(れいり)な顔はメロン皮のようにしわだらけ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...怜悧(れいり)な胸の下に熱い心があることは言うまでもありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...怜悧(れいり)な姉娘も取乱して泣いていましたっけ…………」K君――泣くに泣かれぬ話とは...
松崎天民 「友人一家の死」
...狗頭猴のこの種は至って怜悧で...
南方熊楠 「十二支考」
...三十ばかりの怜悧(かしこ)そうなお上(かみ)さんがいた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その中に輝いてゐる怜悧さうなやゝ劒(けん)のある双の瞳は宛然(さながら)珠玉(たま)のやうだ...
若山牧水 「姉妹」
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