...怒気を漲らした高村軍曹の顔が礫のやうに飛んで行つた...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...葉子の目は怒気を含んで手欄(てすり)からしばらくの間かの若者を見据えていた...
有島武郎 「或る女」
...生前誰かと結婚なすったことがありましょうか」鳥井は青ざめた顔に幽(かす)かな怒気(どき)を含んでなじる様に云った...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...我が精神にして潔白正直短気怒気等の要部は依然として存在し居れり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...怒気紛々として掴みかかろうとしている下郎たちも...
中里介山 「大菩薩峠」
...充分の怒気を頭からあびせかけると...
中里介山 「大菩薩峠」
...怒気忿々(どきふんぷん)たる神尾は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お前は……」と牧師が怒気のために息づまりながら何か言い出そうとすると...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...見る見る怒気満面にあらわれる)牧――どうかしましたか?芦田――(だまって手紙の中味を渡す)牧――「本日午後一時半...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...しかれども無位無官一兵卒等の語を聞きてはこらえかねたる怒気むらむらと心頭に上りぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...怒気をふくんだ問いと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...反絵の唇からむき出た白い歯並(はなみ)が怒気を含んで迫って来た...
横光利一 「日輪」
...それは火のつきそうな怒気を自嘲する身ぶるいにも似ておりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...冲天(ちゅうてん)の怒気をなして...
吉川英治 「三国志」
...なお怒気忿々(ふんぷん)と...
吉川英治 「三国志」
...秀吉の怒気(どき)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...再び火の玉のような怒気を燃やして...
吉川英治 「親鸞」
...曠野に燃えた怒気がそのまま口を迸って...
吉川英治 「平の将門」
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