...必ず殺して以て忿念(ふんねん)を洩(も)らさん」と...
芥川龍之介 「八宝飯」
...僕もどこかに鬱忿を漏らすところがなければ困るから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼の忿怒は必ず惹起されるから)というが如きものであろう...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...どうしてか忿(おこ)つてはたきを振り上げて手向ひをしてゐられる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...忿怒(ふんぬ)現(げん)ずる明王(みやうわう)のひろき肩より燃えあがる焔か...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...彼はその忿怒を恐れていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...忿怒曼徳迦(ふんぬえんまんとくか)明王を祭った...
直木三十五 「南国太平記」
...新しい忿怒(ふんぬ)が火のごとく燃えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狷之介の顏にはサツと忿怒が一と刷毛(はけ)彩(いろど)られます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...忿怒の涙に濡らして際限もなく掻き口説くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうしてくれよう」三郎兵衛は忿怒と失望にかり立てられて...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...建暦三年四月十六日の條に朝盛出家事郎從等走歸本所、告父祖等、此時乍驚、自閨中述出一通書状、披覽之處、處書載云叛逆之企、於今者定難被默止歟、雖然、順一族、不可奉射主君、又候御方、不可敵于父祖、不如入無爲、免自他苦患云々、義盛聞此事、太忿怒、已雖法體、可追返之由、示付四郎左衞門尉義直、(下略)朝盛の出家に至りては既に公然の事實なれば何人の之を知るとも怪むに足らざれども其遺書の閨中に存せしこと并に其書中記載の事項に至りては遽に和田一門以外の人に洩るべきにはあらず、殊に書載云以下の事項に關しては和田氏未公然擧兵の事あらざる以前にありては、和田氏たる者力を竭して其秘密を保つべきことなるは理の當然なれば、此遺書の發見せられし當日に日記者の耳に達したりとせむ事頗危險なる斷案なり、故に吾妻鏡が此條の記事を以て信憑するに足るものとせば、追記したりとする方安全の推測なるべく、然らざれば、此事項は記者の臆斷にとゞまるに過ぎざるものとなるべし...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...やむをえず、座敷へ戻って腕を拱(こまぬ)いて考えていたが、俺の胸にあったのは、忿怒でもなく、悲哀でもなく、妬忌(とき)の念でもなく、どうして体面を膳おうかというそのことであッた...
久生十蘭 「湖畔」
...身顫いの方は忿怒のせいで...
久生十蘭 「魔都」
...そのとき身内に燃えあがった忿怒(ふんぬ)の情も忘れない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...忠善の忿(いか)りにふれて生涯蟄居(しょうがいちっきょ)という例の少ない咎(とが)めをうけたが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...獅子のごとく忿怒(ふんど)して...
吉川英治 「三国志」
...信長へ対して頓(とみ)につのらせていた忿懣(ふんまん)やら反感に油をそそいで...
吉川英治 「新書太閤記」
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