...ここにその神いたく忿りて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...忿懣(ふんまん)やる方ないこの胸の思いを霽(は)らしてやって! と...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...相手を忿(おこ)らして死なしておる者もあるので...
田中貢太郎 「富貴発跡司志」
...如何(いか)にしても解(と)けかねし親々(おや/\)の忿(いかり)...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...お由羅は、暫く眼を閉じて、何か念じていたが「南無、金剛忿怒尊、御尊体より、青光を発して、寛之助の命をちぢめ給え」と、早口に、低く――だが、力強くいって「相(そう)は?」と、叫んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...「南無赤身大力明王、穢迹忿怒明王、この大願を成就し給え」侍は、こう叫ぶと、刀の尖(さき)を、手首のところへ当てて、青白く浮いている静脈を、すっと切った...
直木三十五 「南国太平記」
...伊三松の忿怒(ふんぬ)に歪む顔だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腹の底から忿怒が煮えくり返ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あんまり口惜(くや)しかったんですもの」お留は我慢のならない忿怒(ふんぬ)を噛みしめるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殺生(せつしやう)な曲者ぢやありませんか」八五郎はまさに忿懣(ふんまん)やる方なき姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...たまらないのだよ」長五郎は何やら忿々(ぷん/\)として...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身顫いの方は忿怒のせいで...
久生十蘭 「魔都」
...苦惱、恥辱、忿怒――焦躁、憎惡、嫌忌――それらが瞬間、彼の漆黒(しつこく)の眉の下に大きく見開かれた瞳の中でぞつとするほどひしめき合つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...侮辱感で彼を忿怒(ふんぬ)させた...
山本周五郎 「竹柏記」
...そして母のために忿りを感じ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...大学は忿然(ふんぜん)とし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...忿懣(ふんまん)の色を顔にみなぎらせた...
吉川英治 「三国志」
...忿懣(ふんまん)の色を面に現わしたかと思うと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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