...忽ち近隣に出火あり...
芥川龍之介 「鸚鵡」
...忽ちお富にも見つかつたのであらう...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...一頁の漫画が忽ちに...
芥川龍之介 「近藤浩一路氏」
...竹杖は忽ち竜のように...
芥川龍之介 「杜子春」
...忽ち両脚(りょうあし)を天に冲して蝙蝠(こうもり)の如く倒しまにぶら下るまでの迅速さ加減は実際驚嘆に値いするもので...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...水は忽ち日下部(くさかべ)や塩山(えんざん)一帯に溢れ出す...
中里介山 「大菩薩峠」
...犬に追はれた家室さんは忽ち野干(やかん)となつて籬(まがき)の上に乘つてゐる...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...それ故に微に入り細に入る時は忽ちつかへて匙を投げてしまふ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...斯んな時に一人の悪人でもが現れたら僕等の鬱憤は忽ち其処に向つて集中し...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...忽ち滅入つてしまつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...――すると滝はにはかに怖ろしく悦しいものが胸一杯に息詰まつて来るやうな切なさを覚えたかと思ふとそれが忽ち止め度もない涙になつて流れさうになりました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...わづかな風にさへ私の小屋は忽ち吹き飛んで未だに家も成さない...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...忽ち一陣の風が吹いて来て...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...想像は忽ち翻(ひるがへ)つて...
森鴎外 「魔睡」
...忽ち雄獅子の吼(ほ)えるような颯爽(さっそう)たる声で...
夢野久作 「近世快人伝」
...忽ち、にやにやと笑い出したのである...
吉川英治 「上杉謙信」
...忽ちぷっと摺(す)り切れた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...さうしてやつと、坂の途中まで上りかけた彼等は、そこでちよつとでも氣を緩めやうものなら、忽ちドオーツと、はづみを啖つて、その過重な荷と共に無慘な轉落をするだろう...
若杉鳥子 「烈日」
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