...顔は忽ち燻(くす)んで...
石川啄木 「病院の窓」
...忽ち胸が嘔気を催す様にムツとして...
石川啄木 「二筋の血」
...彼地此所に眼を配る消火夫の水に濡れると忽ち白い煙を渦立たして噴き出した...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...問題は忽ち解決するのです...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...檜葉菩薩忽ち立ちどまりて...
大町桂月 「夜の高尾山」
...虹立ちて忽(たちま)ち君の在(あ)る如し虹消えて忽ち君の無き如し十月二十日 虹立つ...
高浜虚子 「六百句」
...忽ちそこを突きぬけて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...それも忽ち消えてなくなつて了ふであらうと思はれた...
田山録弥 「船路」
...名譽も信用も忽ち去つて仕舞うのが必然だ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...景気に浮かされて儲ける事ばかり考えれば忽ちガラを食った相場師の如くなるべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...虎は、あはや袁に躍りかかるかと見えたが、忽ち身を飜して、元の叢に隱れた...
中島敦 「山月記」
...忽ち蛍(ほたる)と成ッて飛迷う...
二葉亭四迷 「浮雲」
...自ら股肉を割て水に投入れると忽ち堤が成たから股堰と名けたとは...
南方熊楠 「人柱の話」
...忽ち顔を蹙(しか)めて記録を手から釈(お)いた事がある...
森鴎外 「魔睡」
...忽ち仲間外れにされそうな広告である...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...貸した奴の顔を見ると忽ちに思い出すようなもので...
夢野久作 「鼻の表現」
...妻の顏を見ると忽ち妻にとらはれて了ふ自分を知つてゐたから...
横光利一 「悲しみの代價」
...忽ち取り抑えられた自分が腹立たしいほどだった...
横光利一 「旅愁」
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