...この一代の大儒の前に忸怩(ぢくぢ)として先刻の無礼を謝した...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...併し自ら「通がり」となる事の嫌ひな僕は眞に鼠賊が贓品を使用する時のやうな忸怩の情を以つて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...私が自ら生活して行く根柢を立派に有つてあゝ云ふ突飛なことをして迷惑を地主に与へると云ふことに就ては衷心忸怩たるものがないではないが私は自分の正しい文芸的労働の結果に其の生活の根柢を有して居る積りで居るし...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...何日(いつ)になく忸々(なれ/\)しく此方(こつち)から優しい聲を懸けた...
石川啄木 「天鵞絨」
...省みて忸怩(じくじ)とした...
辰野隆 「感傷主義」
...忸怩(じくじ)たらしむるものなくんばあらず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...舊自由黨の如き最も中心忸怩たらざる可からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...心窃(ひそか)に忸怩(じくじ)たらざるを得ない...
西田幾多郎 「或教授の退職の辞」
...絶えず不足を感じて忸怩としてゐる人間です...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...妻にはますます忸れ忸れしくなつてゐる...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...Oには目に見えて忸れ忸れしくなつた...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...忸怩(じくじ)たる思いは夫に疑いをかけたこと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...忸怩(じくじ)たる思いは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...斯んな遊戯的情景を持ち出し何か忸(じく)ぢたる感があるが――これでも...
牧野信一 「喜劇考」
...モダン文化のネオン燦然たる前には百年変らざる伝統の世話講談を繰り返している自分に忸怩(じくじ)たるものをおぼえ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...自分は忸怩(もじ/\)しながら...
三島霜川 「水郷」
...忸怩(じくじ)たるものがあった...
森鴎外 「カズイスチカ」
...何とも忸怩(じくじ)たらざるをえない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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