...快い明るさを漂(ただよ)わしていた...
芥川龍之介 「影」
...思ふにドン・ホアンにとつてその呼吸に快いやうな空氣は又妖婦(デイルネ)の養成にも適する樣な空氣でなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その中で彼れは快い夢に入ったり...
有島武郎 「カインの末裔」
...快いにつけて飲忘れた...
泉鏡花 「婦系図」
...それが下旬に歸つたときには既に快いコバルト色に變つて居りました...
江南文三 「佐渡が島から」
...かすかに錆(さび)どめの沈丁油の匂をかぐ時は甚だ快い...
高村光太郎 「小刀の味」
...その広い青葉をうつ雨の音は快いものだ...
種田山頭火 「行乞記」
...すると今までなんとなしにしゃちこばってぎこちないものに見えた全世界が急になごやかに快いものに感ぜられて来て...
寺田寅彦 「映画と生理」
...酔いと眠りが快い戯れに耽っている最中なのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...けれども快いものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は一種の快い忘却のうちに陥ってゆき...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...話の裏に見られる二人の友情に私は快い笑みを感じた...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...快い響である...
長塚節 「菜の花」
...見た眼にも快い容姿を具えていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...殆ど快いもの思いに変りだした...
堀辰雄 「曠野」
...酔を知らないでも快い感傷と一緒に口吟(くちずさ)めた年頃だつたが――...
牧野信一 「円卓子での話」
...何物かに心を領されて居る快い放心が折々...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...九月の快い香氣が充ち充ちてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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