...忠実な犬のように逸(いち)早くお前の膝許(ひざもと)に帰って来るだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...天下の学問の府と云はれる処の卒業生でありながら一番学問に不忠実なのが法学士ださうだ...
内田魯庵 「犬物語」
...真に職業に忠実なるものであると堅く信じております...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...至って忠実な人であるから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...忠実な下僕ぐらいにしか考えていなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...傷痕と口髭とをもつ忠実な臣イワンは弾丸のように家の中から飛び出し...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...科学者の中にはただ忠実な個々のスケッチを作るのみをもって科学者本来の務めと考え...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...世界がすべて自分の眼界から逸した中にただ一人彼女の忠実なことを認める...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この書はその考証の洽博(こうはく)にして記事もまた忠実なること...
永井荷風 「向嶋」
...それに仕えるところの忠実なる「精神の使徒」の冷静な目に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...メイは忠実なたちだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...忠実な勘定方であった彼自身のなかにあった観念だ...
本庄陸男 「石狩川」
...おのおの両方に忠実なスパイを装(よそお)い...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...僕はあまりに忠実な亭主でありすぎた...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...忠実な学生を訪れて...
牧野信一 「貧しき日録」
...「ただ今、わたくしを、じょうずにひっぱり出して下すった、忠実な友だち、そして、尊敬すべき後援者は、今夜のずるい計画については、すこしも責任はないのでありまして、これはすべてわたくしがたてた計画で、わたくしがむりをいって、やっと承知させたのであります...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...僕の忠実な家隷(けらい)フランソアが「すぐに出せ」と云ふ命令と共に...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...爛々(らんらん)と眼を光らしている忠実なる護衛者の典韋は...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??