...これは自分の心持に忠実な態度だろうかとおぬいはよく考えてみるのだった...
有島武郎 「星座」
...多くの時間は二階に閉籠(とじこも)って学校の先生としての忠実なる準備と英文学者としての真面目な修養とに力を注いでいたのである...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...その態度が別段悪びれもせずあくまでも自分の恋に忠実ならんとする様子がありありと面(おもて)に溢(あふ)れているだけ私は...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...足掛(あしかけ)四年働いている忠実な忠実な運転手さんなの...
谷譲次 「踊る地平線」
...科学者の中にはただ忠実な個々のスケッチを作るのみをもって科学者本来の務めと考え...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...併し翻訳としてまことに忠実なもので...
戸川秋骨 「翻訳製造株式会社」
...保守的でも反動的でもなく却ってザハリッヒで忠実な研究態度又は認識態度だ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...わたしがそのいちばんに忠実な友だちだってことを...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...人生の楽事は自己の天職に忠実なるに在り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一番の不忠実な懶け者であったし...
豊島与志雄 「或る素描」
...奴隷の忠実なんかに...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...通旅籠町と改名されたおり大丸に長年勤めていた忠実な権助(ごんすけ)が...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...忠実なジェナがカルデラに買収されていた事が分かっていただけたかな...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...「ヘンリーは死んでしまつたが、彼の忠実な悴は、丁度彼が、昔々、彼の妻子を棄てゝこの国を訪れて来た時の心に比べて、何の新しさも持たない僕が、斯うしてたつた今お前の国に着いたところだよ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...どんなに忠実な良人(おっと)になる人があっても地位の低い男にやるのは世間体も悪く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...暗記した事だけを繰り返している忠実な奴隷なんですから……」こんな話を入口の近くの卓(テーブル)でやっているのを小耳に挿んだ藤村さんが...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...自然や人間に忠実な見方とはいえないと思う...
「純粋小説論」
...誰に忠実なれというのか...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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