...今に至つて予は忘却する能はざるなり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...耶蘇(ヤソ)紀元三千年の欧羅巴(ヨーロツパ)はイブセンの大名をも忘却するであらう...
芥川龍之介 「僻見」
...吾人が負へる民族的使命の下に健闘しつゝあるの一事を忘却するなく...
石川啄木 「閑天地」
...前後を忘却するほどの泥酔に陥った...
海野十三 「地球発狂事件」
...人はその累積の中に埋もれてその生活そのものに内在する非目前的の一面を忘却する...
高村光太郎 「美の影響力」
...二時間くらいの時を忘却する...
太宰治 「もの思う葦」
...この場合にも頭のいい人は人間の頭の力を買いかぶって天然の無際限な奥行きを忘却するのである...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...多くの世人は精密科学の語に誤られてこの点を忘却するを常とす...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...概念の動機を忘却することは許されない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...この動機を忘却する時...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...忘却するように今や仕向けられているのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼はほとんど前後を忘却するほど興奮していた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それを堪え忍ぼうとするには全く益もない過去の追憶に万事を忘却する外(ほか)はない……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...ついに自他の区別を忘却するまでに至るのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...前後の事情を忘却することを許しません...
中里介山 「大菩薩峠」
...本(もと)を忘却するのは人間にさえありがちの事であるから猫には当然の事さと大目に見て貰いたい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...前後を忘却する者のごとし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...新刊書のために古典を忘却することのないようにするのが肝要である...
三木清 「如何に読書すべきか」
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