...前後を忘却するほどの泥酔に陥った...
海野十三 「地球発狂事件」
...この人道の根柢(こんてい)をさえ忘却する事なくんば...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...「人間は忘却する動物だ」とニイチェもいっていますが...
高神覚昇 「般若心経講義」
...人はその累積の中に埋もれてその生活そのものに内在する非目前的の一面を忘却する...
高村光太郎 「美の影響力」
...あなたがその快楽に酔い痴(し)れて全く人間の世界を忘却するかどうか...
太宰治 「竹青」
...のみならずくる時の道はなるべく忘却することに努めている...
辻潤 「ふもれすく」
...この場合にも頭のいい人は人間の頭の力を買いかぶって天然の無際限な奥行きを忘却するのである...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...多くの世人は精密科学の語に誤られてこの点を忘却するを常とす...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...忘却するように今や仕向けられているのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼はほとんど前後を忘却するほど興奮していた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それを堪え忍ぼうとするには全く益もない過去の追憶に万事を忘却する外(ほか)はない……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...ついに自他の区別を忘却するまでに至るのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...前後の事情を忘却することを許しません...
中里介山 「大菩薩峠」
...本(もと)を忘却するのは人間にさえありがちの事であるから猫には当然の事さと大目に見て貰いたい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...過去を忘却することの悦びである...
萩原朔太郎 「宿命」
...不用なるもの妨碍となるであらうものを一應片附けること目前より遠ざけること差當り忘却することであるを...
波多野精一 「時と永遠」
...前後を忘却する者のごとし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...日本のすべての人々にとって忘却することのできない治安維持法と戦争のために犠牲とされた理性と善意のために捧げられる...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)」
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