...今に至つて予は忘却する能はざるなり...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...吾人が負へる民族的使命の下に健闘しつゝあるの一事を忘却するなく...
石川啄木 「閑天地」
...前後を忘却するほどの泥酔に陥った...
海野十三 「地球発狂事件」
...この人道の根柢(こんてい)をさえ忘却する事なくんば...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...あなたがその快楽に酔い痴(し)れて全く人間の世界を忘却するかどうか...
太宰治 「竹青」
...二時間くらいの時を忘却する...
太宰治 「もの思う葦」
...この場合にも頭のいい人は人間の頭の力を買いかぶって天然の無際限な奥行きを忘却するのである...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...この動機を忘却する時...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...彼はほとんど前後を忘却するほど興奮していた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それを堪え忍ぼうとするには全く益もない過去の追憶に万事を忘却する外(ほか)はない……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...ついに自他の区別を忘却するまでに至るのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...前後の事情を忘却することを許しません...
中里介山 「大菩薩峠」
...過去を忘却することの悦びである...
萩原朔太郎 「宿命」
...前後を忘却する者のごとし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...自分と自分の周囲とを忘却するために...
松永延造 「職工と微笑」
...新刊書のために古典を忘却することのないようにするのが肝要である...
三木清 「如何に読書すべきか」
...日本のすべての人々にとって忘却することのできない治安維持法と戦争のために犠牲とされた理性と善意のために捧げられる...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)」
...その一歩のために「才能は一つの義務である」ことをその画筆で示したケーテ・コルヴィッツを忘却することは不可能である...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
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