...耶蘇(ヤソ)紀元三千年の欧羅巴(ヨーロツパ)はイブセンの大名をも忘却するであらう...
芥川龍之介 「僻見」
...吾人が負へる民族的使命の下に健闘しつゝあるの一事を忘却するなく...
石川啄木 「閑天地」
...この人道の根柢(こんてい)をさえ忘却する事なくんば...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...「人間は忘却する動物だ」とニイチェもいっていますが...
高神覚昇 「般若心経講義」
...あなたがその快楽に酔い痴(し)れて全く人間の世界を忘却するかどうか...
太宰治 「竹青」
...のみならずくる時の道はなるべく忘却することに努めている...
辻潤 「ふもれすく」
...この場合にも頭のいい人は人間の頭の力を買いかぶって天然の無際限な奥行きを忘却するのである...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...多くの世人は精密科学の語に誤られてこの点を忘却するを常とす...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...故にこの動機を忘却する時その名称の変容はその点に於て禁止される必要がある(この禁止を無視することは表象散漫の症状となって現われる――個人的にも社会的にも...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...概念の動機を忘却することは許されない...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...この動機を忘却する時...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...忘却するように今や仕向けられているのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それを堪え忍ぼうとするには全く益もない過去の追憶に万事を忘却する外(ほか)はない……...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...ついに自他の区別を忘却するまでに至るのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...前後の事情を忘却することを許しません...
中里介山 「大菩薩峠」
...本(もと)を忘却するのは人間にさえありがちの事であるから猫には当然の事さと大目に見て貰いたい...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...不用なるもの妨碍となるであらうものを一應片附けること目前より遠ざけること差當り忘却することであるを...
波多野精一 「時と永遠」
...自分と自分の周囲とを忘却するために...
松永延造 「職工と微笑」
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