...「お前、今、時計を見なかったか」「いいえ、暗くなったんで、判りませんわ」「非常管制の警報らしいが、何分位消えているんだっけな」「お父さんは、忘れっぽいのね...
海野十三 「空襲葬送曲」
...「先生は忘れっぽいですね...
海野十三 「三十年後の世界」
...「写真? 僕の写真を、何処で……」「何処でって、忘れっぽいのネ...
海野十三 「深夜の市長」
...若し其忘れっぽい私ですら...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...そういうふうに驚くべく忘れっぽい健忘性な存在として創造されたという...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...あんたは忘れっぽいのね...
戸田豊子 「鋳物工場」
...しかも、その恩知らずの僕に、忘れっぽい僕に、無慈悲な僕に、罪人の僕に、ありがとうと言われる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...忘れっぽい私にさえ...
直木三十五 「大阪を歩く」
...「そんな忘れっぽい人に...
夏目漱石 「草枕」
...母 おや、かあさん、忘れっぽいね...
新美南吉 「病む子の祭」
...忘れっぽいためか...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...自分が忘れっぽいため援助に対する報酬のことをも全然言ってはなかったし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...成吉思汗(ジンギスカン)忘れっぽいんだなあ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...私の忘れっぽい男でないのを見届けているのが多いのに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしはいささか自分の記憶の裏切りや不足に備えるために(わたしの忘れっぽいことは非常なもので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...父うさんは忘れっぽいから今すぐでなければ厭よ」髪を直し了ったお初はちり紙で櫛を拭きながら爺さんをみてこう急きたてた...
矢田津世子 「神楽坂」
...案外世間は忘れっぽい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...こみあげる微笑を噛みころすように頷(うなず)いて――「だけど……何といったっけ……その言伝てを頼んだ人」「忘れっぽいな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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